瞳からにじみ出る虚しさ
愛し方なんて忘れたんだって
君の瞳がささやいたんだ
縋り附くことは出来ないな、また独り声を枯らすだけ
出典: SLEEPWALK/作詞:wowaka 作曲:wowaka
人を愛せなくなった自分に対して、虚しい気持ちがこみ上げているのが分かります。
それを口に出すわけではなく、目で訴えかけているという描写が美しい。
何度か登場した「叫び」は、ついに声を枯らすほどになってしまいました。
痛みの末に
夢の中を歩いてるような夜に
あたしは溺れてました
無意識の片隅に眠るあなたの姿が
痛い、痛い
出典: SLEEPWALK/作詞:wowaka 作曲:wowaka
「あなた」とは愛が叶わない相手のこと。
愛したいし愛されたいのにそれができない…。
絶望感に満たされた主人公は、白昼夢を見ているかのように不安定な精神状態に見舞われています。
これは過度なストレスにさらされた際に起こる「解離症状」なのではないでしょうか。
苦痛を自分を切り離すために、意識が遠のいてしまうのが「解離症状」。
防衛本能の一種です。
そして最後の行ではシンプルに胸の痛みを表現。
抗うことができない
その引力に逆らうなんて
どうしてもやり切れないんだ
真夜中に交わるその思い
ドラマみたいだね
出典: SLEEPWALK/作詞:wowaka 作曲:wowaka
地球上にいる限り「引力」から逃れることはできません。
そんな「引力」と同じように、抗うことのできない現状。
本心とは異なる結果に、悔しい気持ちを募らせています。
辛い現状はまるでドラマの中の演出かのようだと語っており、現実を受け止めきれていないようです。
悶え苦しむ
不時着した夜の海で
何を祈る
誰を彩る
ああ
あたしはまだ何も知らない
焦がし続けるだけ
出典: SLEEPWALK/作詞:wowaka 作曲:wowaka
ここでも「自分の意思」が無い様に感じます。
目的地を見失って彷徨っている様な、依存する先を求めている様な…。
そして「焦がす」という表現にも注目しましょう。
一体なにを「焦がす」のでしょうか?
良く使われる熟語で「胸を焦がす」や「身を焦がす」という表現があります。
これらは「思いが募って切なくなる」とか「悶え苦しむ」という意味。
また、恋い焦がれる気持ちが強すぎて死んでしまうことを「焦がれ死に」と表現することも。
このフレーズでは「叶わない深い愛情に悶え苦しんでいる」ことを表現しているのではないでしょうか。
本音とは?
夢の中で遊んでるような夜にあたしはあなたを待った
自意識の裏側に沈むあたしの本音が痛い
痛い
出典: SLEEPWALK/作詞:wowaka 作曲:wowaka
「本音」とはいったい何でしょうか?
この恋を諦めようとしている…。
もしくは、思い切り相手を愛したいのが本心で、それを抑え込んでしまっているのかもしれません。
心のままに動くのかこのまま耐えるのか。
2つの選択肢の間で心が揺れています。