ここでは主人公の「君」に対しての愛を歌っています。
この愛というのは夏の風景の中で見る君の美しさによって生まれたものだと考えられます。
その美しさを目の当たりにして、主人公は彼女に心の底から惹かれているのでしょう。
主人公はそんな愛をここで歌うことの理由が、君の中にあるのだといっているのです。
誰かに対しての愛を真っ直ぐ伝えるのには勇気が必要となります。
しかし、その愛情を口にしたくなるほど主人公は彼女に対して強く心惹かれているのです。
未来への希望
いくつもの夢たちが 今夜破れても
君と僕なら 勝てないわけない気がした
出典: 夏のせい/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
ここでは君と共に過ごす未来について言及しています。
これからの未来ではきっと嫌なことも辛いことも起こるはずです。
しかし主人公はそんな未来でも必ず乗り越えられると考えています。
君が自分と共に居てくれれば、乗り越えられないものなんてない。
どれだけ苦しくてもきっと未来は明るいはずだと疑ってやまないのです。
2人で紡いでいくこれからの未来に対しての希望が表されています。
夏の魔法
魔法もいつか解ける
「夏の氷と魔法は 溶けるのが早いんだよ」と
少し涼しくなった夜みたいな横顔で 君は言うんだよ
出典: 夏のせい/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
すぐに夏という季節は終わり、魔法のような時間も終わりを告げるのだと君はいいます。
君への想いで熱くなっている主人公に対して、君はどこか冷静さを保っている様子です。
ここでは主人公と君の間にある熱量の差が描かれています。
夏の輝き
不確かと不自由だけ 抱えた僕らのこと
輝かすのが 得意な季節
出典: 夏のせい/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
主人公は不確かさや若い日々の中で感じる不自由さが逆に夏をかけがえのないものに変えていると考えています。
彼は未来に対しての希望を歌いながらも、その未来が不確かであると知っているのです。
夏だからこそこんなにも熱くなるのだということを知りながらも、その時間を楽しんでいる。
主人公は冷静さと高揚感が入り混じった心境なのだと考えられます。
かけがえのない夏
異端者も 科学者も 夢想家も 解けたことない
命題を今僕たちの手で
胸踊るものだけが 呼吸するこの季節に
いついつまでも 取り残されていようよ
出典: 夏のせい/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
夏というものに感じるその高揚感が正しいものなのか、間違ったものなのか。
それは誰にも分からないものです。
その命題は解けないからこそ、美しく感じるのかもしれません。
主人公は今、夏の中に身を置きながらその季節の永遠を願って止みません。
しかし、彼は夏はすぐに過ぎ去ってしまうと分かっています。
夏という季節は決して永遠ではなく刹那的に過ぎ去っていくからこそ美しいのです。
しかし、いつまでもこの季節にいたいと思うほどに君と過ごす夏に心惹かれているのです。
主人公はいつまでもこの瞬間に居たいと考えるほど、かけがえのない夏を過ごしています。
「夏のせい」は野田洋次郎らしいロマンチックな歌詞が私たちに夏の記憶を呼び起こさせる楽曲でした。
彼は一夏の瞬間的な煌めきを彼独自の美しい言葉で余すことなく表現したのです。
まとめ
今回はRADWIMPSの楽曲「夏のせい」の歌詞について解説してきました。
夏の思い出を美しい言葉で彩った、野田洋次郎らしい歌詞となっています。
暑い夏に聴くのにぴったりの爽やかな1曲です。
最後にOTOKAKEに掲載されている記事の中からおすすめをご紹介させていただきます。
今回ご紹介するのは同じくRADWIMPSの「前前前世」と「スパークル」の歌詞解説記事です。
彼らの爽やかでロマンチックな魅力が詰まった楽曲たちです。
この機会に是非、その歌詞の意味についても深く考えてみてはいかがでしょうか。
RADWIMPS「前前前世」の歌詞を徹底解剖! 【君の名は。】主題歌 - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
学生時代から活動を続け、その人気は衰えるどころか、ますます上昇しているRADWIMPS。何かと話題になる彼らですが、2016年8月24日にリリースされたアルバム「君の名は。」より「前前前世」が映画「君の名は。」の主題歌として使われることになりました! 軽快なサウンドが心地よい「前前前世」の歌詞を解説します。