レキシ「KATOKU」
2枚目のシングル!
「KATOKU」は、2017年4月26日にリリースされた2枚目のシングルです。
レキシのリリースの仕方は、独特でアルバムを中心にしたリリースをしています。
なので、シングル作品のリリースは珍しく、前回のリリースはなんと2015年。
2年ぶりのシングルリリースになっているのです。
ちなみにデビューは2007年。1枚目のシングル「SHIKIBU feat. 阿波の踊り子」を出すのにも相当な時間を要しています。
そして、アルバムはデビューから2017年までの間には5枚も出しています。
日本史ソングをポップでキャッチーに歌い上げる彼独自の活動スタイルからも分かるように、リリースの形態まで独自のスタイルを貫いているわけですね。
また、そんな彼を応援する根強いファンも非常に多く、オリコン週間チャートでは最高17位を記録しています。
さらに、この楽曲は2017年2月からダイハツ工業「トール」のCMソングにも起用されており、多くの人の耳に入ったことでさらに彼の音楽が世に広まった印象があります。
そして、初回完全生産限定盤も生産されており、このバージョンにはレキシ特製オルゴールサウンドメッセージカードという珍しい特典が付属しています。
前述もしましたが、彼の持ち味は何と言っても日本史ソングです。
今回は、どのような内容の作品に仕上がっているのでしょうか。
それでは、次にそんな「KATOKU」の歌詞に迫っていきましょう。
歌詞の意味を解釈!
テーマは「家族」!
世襲制 昔から決まってたこと 答えは変わらないよね
What do you say?
今何か言いかけたでしょ? 叶わない想いが 僕の中で
出典: KATOKU/作詞:池田貴史 作曲:池田貴史
まずは、導入部分です。
「世襲制」という印象的な日本史ワードを放つところから始まっています。
まず、「世襲制」とは一体何なのでしょうか?
特定の地位(官位や爵位など)や職業、財産等を、子孫が代々承継することである。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/世襲
日本史ワードとは言いつつも、今の日本でも割りと普通に行なわれていることですよね。
とはいえ、古代ではそれがより色濃く行なわれていて、家業を継ぐというか地位をしっかりと血縁関係者が継ぎ、独占的にその地位を継承していくスタイルが取られていたようです。
つまり、この楽曲のテーマは家族間の世襲についてなんです。
そして、ここの歌詞では、そんなどうにもできない大きな流れの中で、それに抗おうとするような印象を受けます。
何を言っても変えることのできない世襲制という大きな制度を前に、言葉を失いつつも心の中ではもやもやとした反抗心のようなものが渦巻いているもどかしい歌詞になっています。
誰かと誰かが 話し合って決めたこと
馬にのった姿が似てきたら
出典: KATOKU/作詞:池田貴史 作曲:池田貴史
そして、その大きな流れは自分以外の場所で話し合って決めた自分の意志が反映されていない取り決めであることを歌っていきます。
やはり、自分の意志がない分、反抗心やもどかしさが出てくることは仕方のないことでしょう。
しかも、その決め方が馬を乗りこなす姿だとしたら、余計に納得はしづらいことでしょう。
自分の能力や実力が評価されているような気にはなれません。
ここまでの歌詞では、そんな地位を受け渡される側の葛藤や想いが描かれているのではないでしょうか。
キミに家督を譲りたい 今日は家督を譲りたい
皆も納得してくれてるから
キミに家督を譲りたい 今日は家督を譲りたい
キミがまっすぐ走り出した未来
出典: KATOKU/作詞:池田貴史 作曲:池田貴史
そして、サビに入っていきます。
今度は、地位を受け渡す側の想いに変わっていきます。
そして、ここで出てくる「家督」という日本史ワード。
タイトルもこの言葉をアルファベット表記にしています。
これはどういった意味なのでしょうか。
家父長制における家長権を意味する。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/家督
つまりは、一族を取りまとめる長としての権利という意味ですね。
そして、それを譲る対象である「キミ」こそ冒頭でもどかしくなっていた子供のことではないでしょうか。
また、一族の総意としては家督を譲ることで、子供が責任を持って一族を引っ張っていくことを望んでいるように感じますね。