「私はお見通しだった
私たちふたりはすぐにひとつに結ばれるって
すぐにね」
このラインには違法薬物は登場しませんのでリラックスして読んでください。
私はあなたに一目惚れをしたようです。
そして恋愛が成就するのも時間の問題だと分かっていました。
つまりあなたの反応も抜群だったことが歌われています。
こうした理想的な恋愛を歌った歌詞が「ダイヤモンズ」の基軸です。
度々登場する違法薬物などは枝葉に出てくる様々なパーツのようなものでしょう。
やはり大切なものは愛だと思わされるのです。
基本はクラブミュージックですからクラブ文化である薬物も登場します。
これは愛というものが麻薬的な側面を持つものであることの暗喩ではないかと思うのです。
生命力とは何だろう
At first sight, I felt the energy of sun rays
I saw the life inside your eyes
出典: ダイヤモンズ/作詞:Sia Furler Mikkel Eriksen Tor Hermansen Benjamin Levine 作曲:Sia Furler Mikkel Eriksen Tor Hermansen Benjamin Levine
「ひと目見た瞬間から
私は太陽光線のエネルギーを浴びたような感じ
私はあなたの両目の中に生命力を見たわ」
オーストラリアの自然の光景が清々しく歌われるので他のクラブミュージックとは一味違います。
あなたは精気あふれる男性のようです。
惹かれた理由が眼に宿った生命力であると歌われます。
違法薬物がそこかしこにあるので健康さという意味では心配になるでしょう。
健康に還元されないようなギラギラしている生命力を指すのではないでしょうか。
意志の強さのようなものに惹かれたのかもしれません。
あなたの形容はどれも抽象的なものですので実際の姿はリスナーの理想に任されるのでしょう。
リスナーがそれぞれ愛する相手を歌詞に投影していいのだと思われます。
この歌はリアーナのバージョンの他にソングライターのシーアによるものもあるのです。
ふたつのバージョンを聴き比べてみるのもお薦めいたします。
南半球の星空
韻を踏んだ歌詞に注目
So shine bright, tonight
You and I
We're beautiful, like diamonds in the sky
出典: ダイヤモンズ/作詞:Sia Furler Mikkel Eriksen Tor Hermansen Benjamin Levine 作曲:Sia Furler Mikkel Eriksen Tor Hermansen Benjamin Levine
「そう今夜はまぶしく輝くの
あなたと私
私たちふたりは美しいのよ
まるで夜空のダイアモンドたちのようだわ」
歌われる愛は肉感的なものになります。
ふたりはもう大人の愛を知っていますから。
原文を読むと盛んに韻を踏んでいるのがお分かりいただけるはずです。
「me」ではなく「I」に置き換えられているのはわざわざ韻を踏むためでしょう。
こうした詩を14分で仕上げてしまったのですからシーアという人の才能は素晴らしいです。
私は佇まいの美しさに自信があります。
ダイアモンドと夜の空に煌めく星が等価のように結ばれているのです。
オーストラリアの自然あふれる場所での満天の星というものを想像するとロマンチックでしょう。
南半球に住むシーアと北半球に住むリアーナでは見ている星空が違うはずです。
それでもリアーナの故郷バルバドスも風光明媚な土地ですので思いが通い合うのでしょう。
恋愛に言葉は要らない
Eye to eye
So alive
We're beautiful, like diamonds in the sky
出典: ダイヤモンズ/作詞:Sia Furler Mikkel Eriksen Tor Hermansen Benjamin Levine 作曲:Sia Furler Mikkel Eriksen Tor Hermansen Benjamin Levine
「眼と眼が合えば生命力が沸き立つの
私たちふたりは美しいの
まるで夜空に輝くダイアモンドたちのよう」
原文を読んでいただくと分かるはずですが、訳文よりももっとシンプルな言葉遣いです。
こうしてみるとクラブミュージックには英語が一番適しているのかもしれません。
歌っている内容は先ほどご紹介したラインとあまり変わらないでしょう。
ひと目で恋に落ちたふたりでしたが、いつでも視線を交わすだけで生命力を感じるようです。
理想的な恋愛の姿がここにあります。
好きなふたりが分かり合うのには視線だけで十分なのかもしれません。
言葉で間を埋めないといけない愛はどこか無理があるのかもと考えさせられます。
自信がある人たちの愛は羨ましいとこの恋愛を眺めてしまうでしょう。
一生に一度でもこうした愛に出会える人は幸運です。
そしてこの惹かれ合う力の強さこそがやめられない麻薬的なものだと歌っているのでしょう。
ダイアモンドの正体は
薬物に対する認識の違い
Shine bright like a diamond (Woah)
Shine bright like a diamond (Woah)
Shinin' bright like a diamond
We're beautiful, like diamonds in the sky
出典: ダイヤモンズ/作詞:Sia Furler Mikkel Eriksen Tor Hermansen Benjamin Levine 作曲:Sia Furler Mikkel Eriksen Tor Hermansen Benjamin Levine
「ダイアモンドのように輝いて眩しい
まぶしく輝く姿はダイアモンドのよう
ダイアモンドのように輝きを放っているわ
私たちふたりは美しいの まるで夜空に輝くダイアモンドたちのよう」
ポストコーラスの箇所です。
ここで盛んにダイアモンドがフィーチャーされています。
何を歌うにもとにかくダイアモンド。
ダイアモンドが美しいのは分かるのですが、暗い予感でこのラインを解釈することもできます。
ダイアモンドはずばり違法薬物であるエクスタシーやMDMAの俗称なのです。
錠剤の色によってイエローダイヤモンドなどといわれることもあります。
「ダイヤモンズ」とは見て身に付けて愛でる宝石のダイアモンドではないのです。
クラブ文化のアンセムとして違法薬物の俗称を使用しました。
上述した通りにエクスタシーなどは諸外国ではあまりに利用者が多いので摘発もされません。
日本は薬物に厳しい社会ですから一度でも手を出すとその後の人生を潰してしまいます。
薬物依存症の患者への理解も浅い遅れた社会ともいえるかもしれません。
薬物に関しては売人だけを厳しく処罰して、依存症の利用者は罪に問わずに病院で治療する。
こうした取り組みで薬物を社会からなくすことに成果をあげている国もあります。
とにかくその国・地域の文化や風土によって薬物に関する考え方は様々なのが実情です。