星野源「地獄でなぜ悪い」ってどんな曲?

星野源「地獄でなぜ悪い」映画主題歌となったCD情報と歌詞解釈(レビューあり)の画像

星野源の「地獄でなぜ悪い」は、通算6枚目のシングルで、2013年10月にリリースされました。

アルバム「YELLOW DANCER」に収録されているこの曲は、映画「地獄でなぜ悪い」のために書き下ろされた楽曲で、星野源自身もこの映画に出演しています。

映画「地獄でなぜ悪い」とは?星野源が演じたのはどんな役?

「地獄でなぜ悪い」はヤクザが敵対する組織に殴り込みに行く様子を自主制作映画にしてしまうという奇想天外なストーリーの映画です。

武藤組組長の武藤大三が、服役中の妻のために娘のミツコ主演の映画を作る決心をするところから物語は始まります。

星野源演じる橋本公次は、無関係な一般人なのですが、ミツコの嘘のせいで、ミツコの駆け落ち相手であり映画監督ということにされてしまい、急遽巻き込まれて映画監督をすることになる人物です。

巻き込まれて、脅されて、上手く行かなくて、逃げ出して…と何かと大変な男の役ですが、星野源が持ち前の演技力で表情豊かに演じています。

「地獄でなぜ悪い」のCD情報

「地獄でなぜ悪い」のジャケットは星野源の劇中の姿が描かれたイラストで、収録曲は「地獄でなぜ悪い」とそのカラオケバージョンです。

また、初回限定盤DVDには「楽しい地獄だより」として、「化物」のMVや、ライブ映像、レコーディングの様子のドキュメンタリー映像などが収録されています。

詳しい情報は、上の公式チャンネルのMVの中で初回限定盤DVDの収録内容も紹介されているので、よかったら見てみてください。

星野源「地獄でなぜ悪い」の歌詞解釈

「地獄でなぜ悪い」の歌詞は、定期検査のために一時入院をしていた星野源が、病室で書いた歌詞です。

その検査の結果、前回のくも膜下出血の手術をした箇所に問題があり、今度は3ヶ月間の入院することになるなど本人は思っていなかったため、呑気な気持ちで歌詞を書いて一人で盛り上がっていたそうです。

そうした経緯から、この曲がリリースされた時には、星野源は皮肉にもこの曲の歌詞の通り「病室」で本当に「地獄」のような日々を過ごすことになってしまいましたが、そのことを「ちょっと勘弁して欲しいです(笑)」と冗談交じりのコメントで公式サイトに寄せたのでした。

コメントの全文を読みたい方は下記リンクから読むことができます。

そんな苦しい時ですら気丈なコメントを残す、星野源が書いたこの歌詞は、苦しい時を苦しいと、つまり、「地獄」であると認めた上で乗り越えていくような明るく力強い歌詞です。

では、歌詞を見ていきましょう。

星野源「地獄でなぜ悪い」映画主題歌となったCD情報と歌詞解釈(レビューあり)の画像

夜の「病室」で「いつも夢の中で痛みから逃げてる」

病室 夜が心を そろそろ蝕む
唸る隣の部屋が 開始の合図だ
いつも夢の中で 痛みから逃げてる
あの娘の裸とか
単純な温もりだけを 思い出す

出典: 地獄でなぜ悪い/作詞:星野源 作曲:星野源

夜の病室で、痛みや精神的な辛さから気をそらすために、「あの娘の裸」や「単純な温もり」といった、できるだけ関係のないことを考えている様子が描かれます。

しかし、痛々しい状態ではありますが、思い出す内容が「あの娘の裸」というように少しコミカルなので、悲痛すぎる印象にはなりません。

星野源らしい、お茶目で、続きを聴きたくなるポイントだと言えるでしょう。

この世界は生まれた時から「楽しい地獄」

無駄だ ここは元から 楽しい地獄だ
生まれ落ちた時から 出口はないんだ
いつも窓の外の 憧れを眺めて
希望に似た花が
女のように笑うさまに
手を伸ばした

出典: 地獄でなぜ悪い/作詞:星野源 作曲:星野源

「地獄」から気をそらして逃れようとしても、人生自体が「地獄」だから、逃れることはできず、前の歌詞で試みた現実逃避が失敗に終わっているのがこの部分の歌詞です。

そして、楽しいこともあるだけで、生まれた時からみんな「地獄」を生きていることには変わりはないと歌っているのです。

人生自体が「地獄」であるなら「出口」は人生の終わりということになります。

だから、見つからない「出口」を探すのではなく、花のような小さな「希望」を探そうと言っているのです。