やはり英語が多い
それでは、歌詞に注目していきましょう。
敷かれたレール 素直に進めば
目隠ししても どこかに行き着く
でも人生は緋い誘惑の糸に 操られて
囚われるがままに
出典: Bull’s eye/作詞:ナノ 作曲:WEST GROUND
何も疑わず、言われるがままに敷かれたレールの上を進んでいれば、どこかにたどり着けたはずでしょう。
けれど、彼女の人生は「緋い誘惑」、つまり「アリア」の存在に囚われてしまったのかも知れません。
それとも「緋い誘惑」とは「赤い血を欲する誘惑」という、戦いたい欲望だったのでしょうか。
Days flying by
but still wonder why
I look to the sky and cry
(FIRST IMPACT)
I’m so lost inside
There’s no place to hide
A prisoner to pride
(LAST TRIGGER)
Save me
出典: Bull’s eye/作詞:ナノ 作曲:WEST GROUND
日々は飛ぶように過ぎていきます。
何故だかわからないけれど、空を見上げて泣いてしまう……それが最初の影響でした。
そして自分を見失うほどの迷い。
それを隠す場所はなく、むしろ囚人の誇りのようで……それが最後の引き金となります。
それでも「助けて」と呟くのは、本当の心が完全に失われたわけではなかったから?
世界の果てで ただ独り残されて
引き金にかかった指が震えた
(The world is falling)
運命のスコープを覗いて 未来が変わるのなら
心信じて 狙い定めて Bull’s Eye
出典: Bull’s eye/作詞:ナノ 作曲:WEST GROUND
憧れの人の役に立ちたくて出た戦場で、世界の果てのような場所に残されてしまった少女。
たった独りで立ち向かわなければならない状況で、銃の引き金にかけた手が震えます。
きっとそれは初めての孤独な戦いだったのでしょう。
けれども、世界は墜落している。
自分の狙い定めた照準で撃てば未来を変えられるというのなら……自分を信じてやり遂げるしかないのです。
未来を、世界を、愛する人を変えるために。
First impact
will break me
Last trigger
will take me
出典: Bull’s eye/作詞:ナノ 作曲:WEST GROUND
最初の影響は私を壊すだろう。
最後の引き金は私を連れて行くだろう。
──という意味のようです。
けれど、結局はどちらも自分が選んだことだと言えます。
この後も切なく苦しくもがく歌詞が続き、理解できず、頭の中に騒音が鳴り響き、決して終わらない悪夢に苛まれます。
そして再び訪れる最初の影響は、彼女の目の奥を見た時に炎が燃え尽きること。
しかし新しい希望が燃え上がることで、最後の引き金となるのです。
世界の果てで ただ光追いかけて
手探りで掴んだ夢が輝いた
(The world is changing)
モノクロームを超えて 自分が変わるのなら
瞳閉じて 闇仕留めて
Don’t hesitate
Don’t hesitate…
もしもこの体 明日消えるなら
あなたと見上げる夜空を この目に焼き付けたくて
もしもこの声が いつか届くのなら 枯れるまでその名を叫んで
I’ll bring you back from a world of darkness
出典: Bull’s eye/作詞:ナノ 作曲:WEST GROUND
そうして徐々に希望が見えてきました。
独りで戦っていた世界の果てで見つけた光を追いかけ、なんとか掴み取った夢が輝き始めます。
世界は変わり始めるのです。
色のない世界を超えて自分が変われるなら……ここで「躊躇しないで」、という言葉だけが英語になっているのが印象的ですね。
また最後にも「私は暗闇の世界からあなたを連れ戻すよ」と、英語で意味深にささやきます。
終盤の歌詞でも、未来はあなたのもの、あなたの心があなたを導いていく、と、大切な言葉は英語になっています。
ナノ自身で作詞しているためか、どうしても伝えたい言葉は英語になってしまうのかも知れません。
しかし、だからこそ胸に刺さり、心に残り、意味を調べたくなるのでしょう。
まとめ
アニメ動画を見ていただけていれば、この歌詞と作品の世界観の一致も垣間見えるのではないでしょうか?
実はこの「Bull’s eye」のシングルCDには、「ナノver.」と「アニメver.」があります。
1曲目は当然ながら「Bull’s eye」ですが、カップリング曲が異なるのです。
「ナノver.」にはPS Vitaのゲーム『BAD APPLE WARS』のオープニングテーマである「Mirror, Mirror」が。
双方それぞれのインストバージョンとともに収録されています。
これはどちらも欲しいと思ってしまいますね。
そこでこっそり教えてしまいますが、実は2017年5月に発売された、デビュー5周年記念であり、4枚目のフルアルバムである「The Crossing」には3形態あるのです。
その中の 「NO ver.」という方の限定盤が、2CDとなっていて、2枚目のディスクに両方のカップリング曲が入っています。