謎も楽しみも多いシンガー

自分を音楽で表現

日本のアニメソングに興味を抱き、来日に至ったというエピソードを持つほどのナノ

ニコニコ動画」という、海外にはあまりない(らしい)発信方法に惹かれて、ボカロ楽曲を英語の歌詞にしたカバーを披露するなど、自分の音楽を配信し始めました。

それに加えて、一度聴けば耳から離れないような魅力的な声と、圧倒的な歌唱力

再生回数はどんどんと伸びていき、短期間であっという間のメジャーデビューを果たしています。

メジャーデビュー後もその人気は衰えることはなく、精力的にライブを行ったり、イベントに出演したりしていますが、いまだに謎の多いシンガーとしても有名。

初期の頃は顔出しもしなかったほどですが、5周年を期に素顔を見せるようになりました。

もちろんライブに行けば姿を見れるのですが、衣装のフードをかぶっていたり、照明であまりはっきりとは見えないような演出がされたりもしています。

見た目よりも、自分の音楽で本物のファンを惹きつけたいのでしょう。

発売アルバムは4枚ですが

【Rock on./ナノ】PVは軍艦島で撮影!!3rdアルバムタイトル曲の強さを感じる歌詞を解釈の画像

現在発売されているナノ楽曲は、シングル曲が8枚、アルバムが4枚です。

しかし、どれも「◯◯ver.」と名前の付く数種類の形態で出されています。

シングル曲では、2枚目以降のすべてがタイアップしたアニメヴァージョンと、ナノヴァージョン(アーティスト盤)があり、アルバムは通常盤に加えてもちろん限定盤も存在。

しかも1万枚の数量限定である場合が多いですね。

さらに、限定盤に至っては2パターン(2枚目以降は「NA ver.」と「NO ver.」)とが存在し、2枚組になっています。

1枚は通常盤と同様の楽曲が収録されているCDですが、2枚目がライブDVDであったり、アルバム未収録音源のCDであったりするため、どうしても両方欲しくなってしまうという(笑)。

「ひえ〜(汗)」と思いながらもファンは買ってしまうのですが、内容はその気持ちや支払った金額などは超えるほど良いので、最終的には満足の笑みが浮かびます。

そのあたりはもう、さすがとしか言いようがありませんね。

既に大物です。

大好きなアニソン

デビューはアルバムから

【Rock on./ナノ】PVは軍艦島で撮影!!3rdアルバムタイトル曲の強さを感じる歌詞を解釈の画像

2012年3月に、アルバム「nanoir(ナノワール)」でデビューしたナノ。

この作品は主にニコニコ動画への投稿時代のボカロ楽曲のカバーが中心となっています。

その後5月に初めてのシングル曲をリリースし、テレビアニメのOP曲として使用されました。

アニソンが好きで来日したナノにとっては、非常に縁起の良いスタートだったのではないでしょうか。

そして以降に発売された7枚のシングル曲もすべてアニメとのタイアップを果たし、アニメ関連のイベントにも出演しています。

あ、厳密には「INFINITY≠ZERO」だけはアニメではないですが。

それでもすべてのシングル曲にタイアップが付くというのは、そうそう簡単なことではないのは想像できるでしょう。

そして今回取り上げる楽曲Rock on.」に至っては、シングル曲ですらないのに、劇場版アニメの主題歌にまでなったのです。

3枚目のアルバム曲から劇場版アニメ主題歌へ

ナノの3枚目のアルバムタイトルが、この楽曲と同じ「Rock on.」となります。

例によって、通常盤と2種類の限定盤のアルバムが発売されていますが、そのCD音源のラストを飾るのが、このアルバムタイトルと同名の楽曲なのです。

「Rock on.」とは、英語で「揺れる」という意味。

ちなみに、「Rock on you.」とすると、「あなたを揺るがす」となります。

この楽曲は、テレビアニメで莫大な人気を博した『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』の劇場版第1部となる、『劇場版 蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- DC』の主題歌になりました。

こちらはテレビシリーズを再構成し、新規映像も加えたディレクターズ・カット版です。

その後、完全新作として第2作『劇場版 蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- Cadenza』が上映され、アニメオリジナルストーリーは一旦完結しました。

しかし、Ark Performanceによる原作の漫画『蒼き鋼のアルペジオ』は現在も連載中で、単行本は第15巻まで発売されています。

物語の舞台は近未来の海で、主に潜水艦が活躍するSF作品。

「イ401」と聞けば、多少興味のある人ならご存知であろう有名な潜水艦ですが、その他にも「タカオ」や「ヒュウガ」などの巡洋艦や戦艦の名前を冠したキャラクターも登場します。

突然世界の海に姿を現し、人類を海から排除する「霧の艦隊」と呼ばれる艦船群は、第2次大戦時の軍用艦艇を模しているようで、そこもファンならそそられますね。

しかし、これがただの海上戦争物語ではないのは、SFというジャンルにいることもあり、それぞれの艦が「メンタルモデル」と呼ばれる、人間と同じ形をした姿も見せるからです。

簡単に言えば「艦の擬人化」ですが、情報収集のための人間型のインターフェイスという扱いであるため、いわゆる「萌え」狙いではありません。

もちろん姿は全員女性ですが、これにもきちんとした理由があるのです。

なかなか奥の深い作品ですよ。

【Rock on./ナノ】PVは軍艦島で撮影!!3rdアルバムタイトル曲の強さを感じる歌詞を解釈の画像

軍艦島で撮影されたPV

アルバム曲をPVに

通常、告知や販売用にシングル曲のPVを作ることはあっても、なかなかアルバム曲のPVを作ることはほとんどありません

まれに、クロスフェードデモが作られることはありますが、1曲丸ごとPVにしてしまう例はそう多くはないのです。

そして、そんなイレギュラーを作ったのがナノの「Rock on.」なのですね。

劇場版人気アニメの主題歌となったこともあるのでしょうが、ナノ自身がアルバムタイトルにするほどの強い思い入れがあったのかも知れません。

アルバムの発売は2015年1月ですが、実は2013年10月にリリースされた3枚目のシングル曲である「SAVIOR OF SONG」も、テレビアニメ版の『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』のOP曲になりました。

その時のPVでは、イージス艦「きりしま」の艦上で撮影を行って、非常に話題になったのです。

そして今作の「Rock on.」も同アニメの主題歌ということですし、さらに劇場版ですから、その撮影舞台に軍艦島を選んだことは、決して話題作りのためだけではないでしょう。

実は「軍艦島」というのは通称であり、正式名称は「端島(はしま)」という、長崎市に属する島です。

確かにどこから見ても形は軍艦のようですし、かつては海底炭鉱によって栄えていたという歴史もあります。

しかし、閉山に伴って人々が島を離れることになり、現在では無人島となりました。

2015年には、世界文化遺産に登録された、日本が誇る由緒ある島です。

意味深な映像

それではまず、そのPVをご覧いただきましょう。

『Rock on.』ナノ Music Clip