4thシングル【Helpless Rain】

中島美嘉【Helpless Rain】歌詞の意味を考察!「夢」と「現実」の違いは?雨が悲しみを誘う…の画像

今回ご紹介するのは中島美嘉の4thシングルとしてリリースされた【Helpless Rain】。

はじまりは降り出した雨のようにぽつぽつと静かに歌い上げるAメロ。

悲痛な想いを訴える高音のサビが印象に残る切ない楽曲です。

「Helpless」とは助けのない、無力なという意味。

自分自身ではどうすることもできない状況に降る無情な雨の中、主人公は何を想っているのでしょうか。

その歌詞の意味を考察していきます。

MVはこちらから

【Helpless Rain】のMVはこちらです。

ショートバージョンではありますが、悲しみの檻に囚われた様子が表現されています。

彼女の表情からも痛いほどの切なさが伝わってくるようです。

叶うことのない願い

忘れられない記憶

遠い空の上 響く雷鳴に震えてる
あの手のぬくもり 記憶 糸手繰る午前二時

今も 目を閉じてあなたの背中を見つけるけど
追えば消えるのはなぜ?
触れたい 今すぐに
指も髪も

出典: Helpless Rain/作詞:おちまさと 作曲:shinya

深夜、遠くから轟(とどろ)く雷の音。

感じるのはどこかでもう降り出した湿った雨の匂い。

身体が震えるのは雷が怖いから?

それだけではありません。

だって、隣にいたはずの「あなた」はもういない

手のぬくもりはまだ覚えているのに...

部屋でひとり、雨の気配を身にまとって記憶をたどる主人公の姿がそこにはあります。

鮮明に思い描けるのは「あなた」の背中、忘れることなんてできないのでしょう。

いますぐ駆け寄って「あなた」のそばに行きたい。

そしてその感触をもう一度確かめたい。

それはもう、叶うことのない願いになってしまったのです。

「夢」の中でも会えない「あなた」

その胸の海で溺れても 強く
抱かれたい 壊されたい
願いは叶わず 夢でも逢えず
濡らして…涙

出典: Helpless Rain/作詞:おちまさと 作曲:shinya

もっと辛い想いをしてもいい。

いくら苦しくてもかまわない、「あなた」の腕に抱かれることができたなら。

主人公の想いはただ虚しく、悲痛に響くだけです。

もう近づくこともできない。

その指で触れることもない。

いくら「あなた」を想っても、「夢」の中ですら「あなた」に会うことはできません。

叶えられない願いは涙に姿を変えるしか、いまはできないのです。

降り止まない雨に刻みこまれる「現実」

窓の外は雨…無情に痛み刻み込む
残された写真 手紙 胸騒ぐ夜を憂う

出典: Helpless Rain/作詞:おちまさと 作曲:shinya

降り出した雨。

その雨音と共に刻み込まれるのは、そこにある「現実」です。

部屋に残された思い出の数々。

まだ処分できないでいるのは、別れを過去のものにできていないからでしょう。

もしかしたらいままでも別れの予感に気づいた夜もあるのかもしれません。

そのときには嫌な予感をかき消してくれた雨音も、いまでは淡々と「現実」を主人公に突き付けます。

雨の日にはそんな記憶も呼び起こされてしまうのです。

動かない時間、悲しみの雨に打たれて