タイトルの「WILL」が意味するものとは?

中島美嘉の過去から繋がる未来を描いた「WILL」の歌詞の意味を紐解くの画像

「WILL」という英語には~だろう、~でしょうという意味がありますが、 この曲のタイトルの「WILL」を一言で表すと「意志」という意味が込められています。

歌詞の意味を特に意識せずにサビを聴くと最後のフレーズ”僕の「WILL」” ってどういうことなんだろうと疑問に思いますが、「意志」という言葉をそのまま 当てはめてみるとしっくりくると思います。

曲全体を通しても、こうした自己啓発的な主人公の意志を感じられる楽曲になっています。

では歌詞のひとつひとつを紐解いていきましょう。

中島美嘉「WILL」の歌詞の意味

中島美嘉の過去から繋がる未来を描いた「WILL」の歌詞の意味を紐解くの画像

「あの頃」って
僕たちは
夜の空を信じていた
同じ向きの
望遠鏡で 小さな星探した

出典: WILL/作詞:秋元康 作曲:川口大輔

1人の男性目線で捉えて解釈していきます。

あの頃というのは、仲間とみんなと一緒に過ごした日々、 それぞれが夜空の星を望遠鏡で観測している様子が想像できます。

”同じ向きの望遠鏡”から感じられるのは みんなで同じ目標に向かって進んでいるような光景が浮かんできますね。

いつもそばに
誰かいて
孤独の影 紛らせた
停電した
夏の終わりに
手さぐりして
キスをしたね

出典: WILL/作詞:秋元康 作曲:川口大輔

ここのフレーズでは、夜空の星と主人公がとった行動を 重ねて考えることができるような気がします。

”いつもそばに誰かいて”というフレーズを夜空の星に例えるなら、 空には無数の星たちが存在していて、地上から見える星の姿は光の集合体のように見えます。

その中の一つの星の近くにはまた別の星が見えることから孤独を感じさせない。 それを”孤独の影紛らせた”と表現しているように感じられます。

人間に例えるなら、学生生活をイメージするとわかりやすいかもしれません。

いつもみんなと一緒にいた学生時代は、集団の中で過ごしていますよね。

自分の席のすぐ近くには友人がいます。なので孤独を感じることもありません。

”停電した夏の終わりに”からのフレーズは停電というアクシデントが起きた中で

手さぐりで探し、相手を見つけたときの何らかの衝動的な想いが 気づいたらキスへと繋がっていたのではないでしょうか。

もし停電が起きなければそんな想いが芽生えることもなかったのでは?

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あれから 僕はいくつの
夢を見てきたのだろう
瞳(め)を閉じて見る夢よりも
瞳を開きながら WOW WOW

出典: WILL/作詞:秋元康 作曲:川口大輔

サビでは幻創チックな世界観が広がりますね。

AメロBメロまでは過去の出来事を主人公が振り返っていたわけですが、

現在に戻ってきた主人公はその過去から 今までに至るまで何度夢を見てきたのだろうと考えています。

”瞳を閉じて見る夢”というのは寝ている時に見る夢のことをさしているのでしょう。

一方、瞳を開きながら見る夢は将来の夢のことを言っているのでしょう。

”よりも”とあるのでその2つの「夢」を比べているようにも感じられます。

あれから 僕はいくつの
自由を生きてきただろう
運命の支配じゃなくて
決めてたのは
僕の「WILL」

出典: WILL/作詞:秋元康 作曲:川口大輔

ここではどれだけの自由を生きてきたのかを振り返っています。

”自由を生きてきた”という表現には、好き勝手に生きてきたという意味ではなく、
「自分で決めて歩んできた人生」はどのくらいあっただろうかと振り返っているのだと思います。

そこで出た答えが、今ここにいる自分は運命に支配されて生きてきたわけではなく

夜空の星のように無数にある選択肢の中で
自分の「意志」で決めてきたんだということ。

だから今の自分は自分自身のこれまでに歩みから
作られたものなんだという意味があるのではないでしょうか。

煌いてる
星たちは
誰かが もう見つけてる
光のない 闇のどこかに
まだ見えない 未来がある

出典: WILL/作詞:秋元康 作曲:川口大輔

地上からみた夜空の星は光が強いものとそうでないものがありますよね。

その中でも輝いている星は誰かがすでに見つけている。

その星を追いかけるのではなく、闇の中にあるこれから輝く星を 探してみないかという意味があります。

ナンバーワンよりオンリーワンという表現がわかりやすいかもしれませんね。

中島美嘉の過去から繋がる未来を描いた「WILL」の歌詞の意味を紐解くの画像

記憶が星座のように
輝きながら 繋がる
バラバラに見ていたけど
今ならわかるよ WOW WOW

出典: WILL/作詞:秋元康 作曲:川口大輔

今まで自分がしてきたことや感じてきたことの記憶というのは 良いことも悪いこともすべて入り混じっていますよね。

その記憶が”星座のように輝きながら繋がる”というのは 一つ一つ別のこととして考えていたけど、 振り返れば星座のように綺麗に輝きながら繋がって見えるんですよね。

要はすべてが「自分がこれまでに選択をしてきた結果」として考えられるということです。

記憶が星座のように
ひとつになって教える
偶然のしわざじゃなくて
選んだのは
僕の「WILL」

出典: WILL/作詞:秋元康 作曲:川口大輔