Yogee New Waves【Good Night Station】歌詞解説！祝福の雨はいつ降る？

「station」はラジオ局を指しています。

深夜帯にはオンエアを休止するラジオ局もありますが、この曲のラジオ局は常に何かしらオンエアを続けていたという設定です。

しかし何らかの理由で休止、あるいは廃局するようですね。

今まで何があっても電波を送り続けていました。ですからふたりは雨音を聞き続けていたのです。

好きなラジオ番組から繋がったふたりなのかもしれません。

もしそうであれば、ラジオが休止してしまったらふたりを繋ぐ要素がなくなってしまいます。

でもふたりは、ラジオが聴けなくなってからの関係について、相手に求める勇気はないのでしょう。

ラジオの雨音が消えるのなら、せめてその雨音がふたりのためだけに降り注げばいい。

こうした意味を感じます。

「そして」という言葉があるので、直前の歌詞を受けているのでしょう。

ふたりを「雨」が繋いでくれたら、というタラレバのストーリーが展開されます。

ふたりを繋いだラジオ局が復活して欲しい。思い出の曲を隣で聴きたい。

降り注いだ雨は強く、お互いの声なんて届かないぐらいだったかもしれません。

しかしお互いに届かなくとも、雨の中でふたつの想いが出会うのでしょう。

雨に溶けて混ざり合うふたつの想いは「蜃気楼」、つまり幻だと歌います。

ふたりを繋ぐものは「ラジオ」、しかしその復活は絶望的。

それでも想いが溶け込んだ虚像を見たふたりは、虚像とも思わずに目に映る光景を信じるのです。

この曲の主人公の「語り」がメインのパートです。

電波ジャック、そんな大それたことが彼にできるのでしょうか。

東京とロサンゼルス、世界の大都市のラジオ曲が並ぶ冒頭。

J-WAVEは80桁の周波数を用いていますが、KIIS FMは違います。

もしもその気になれば、J-WAVEの電波を乗っ取ってしまうこともできなくはないようです。

「あのこ」を繋ぎ止めるために、その電波を使って放送すればいいのではないか。

かなり大胆な発想ですがそこまで考えたのでしょう。

実際にラジオ局まで出向いたと思える描写があります。

そこがラジオ局だったという痕跡しか残っていないようです。

東京とLAという極端な例、ジャックできる周波数は一方だけ。

「ふたりではなく、あのこでもなく自分ひとりが行動を起こさなければ」という意志を感じます。