何が欲しいか分からなくて
ただ欲しがって ぬるい涙が頬を伝う

出典: Beautiful World/作詞:Utada Hikaru 作曲:Utada Hikaru

どうしたいのか、何をしたいのか自分でも分かりません。

何を求めているのか分からないのに、「欲しい」という気持ちだけがあります。

自分に何かが欠落しているのを感じているのでしょうか。

無論、具体的に何が欠落しているのかが分からないわけですが…。

だから「欲しい、欲しい」と泣きながら言うことしかできません。

さらに「ぬるい」という表現も効いていて印象的です。

体温によって涙もぬるいのでしょうが、それ以上に主人公の状態を表しているように感じられます。

「ぬるい」とは熱くも冷たくもない、どっちつかずな温度です。

主人公もまた現実から目をそむききることができず、現実と夢の狭間で揺らいでいます。

態度も言動もハッキリできない、主人公の人物像が浮かび上がっているのではないでしょうか。

自分が本当にしたいこと

言いたいことなんか無い
ただもう一度会いたい
言いたいこと言えない
根性無しかもしれない
それでいいけど

出典: Beautiful World/作詞:Utada Hikaru 作曲:Utada Hikaru

主人公はイマイチはっきりしない人です。

現状に満足していないのに、それを打開しようと行動することすらできません。

しかしながら主人公の心の中には少なくともただ一つ、はっきりしていることがあります。

それは「君との再会」という願いです。

言葉は要りません。

ただ会いたいだけです。

仮に何か言おうとしても、この主人公はうまく言葉にすることができないでしょう。

そんな彼を周囲はバカにするかもしれません。

ですがそんなこと、主人公が真に望むものと何の関係もないのです。

「君」と再び会えるのなら、自分が変わる必要もありません。

自分が周りに何と言われようが構わない、という意志を見てとれます。

「僕」の願い

正しいことや自分の欲しいものを自覚できない主人公。

しかしながら、本当に全てが曖昧というわけではありませんでした。

少なくとも「君」のことは強く想っています。

恋慕なのか友情なのか、それとも家族愛なのかは分かりません。

どんな関係性でも、主人公が相手のことを大切にしているのは事実です。

挑戦は必ず自分の糧になる

どんなことでもやってみて
損をしたって 少し経験値上がる

出典: Beautiful World/作詞:Utada Hikaru 作曲:Utada Hikaru

やりたいことにチャレンジしてみることは、決して無駄になりません。

もちろん必ず成功するとは限らないので、お金や時間を無駄にしてしまうこともあるでしょう。

ヘマをして周りから嘲笑されたり、責任を取らされたりすることもあります。

ですが、失敗したとしても得られるものが必ずあるのです。

それが歌詞のいう「経験値」といえます。

「次からはこうしよう」と気をつけることも、「失敗したけれどここまでできた」と自信にすることも可能です。

そうすれば、次の挑戦で成功できる可能性も上がるのではないでしょうか。

主人公はその事実に気付けたのかもしれません。

自分が本当に知りたいこと

新聞なんかいらない
肝心なことが載ってない
最近調子どうだい?
元気にしてるなら
別にいいけど

出典: Beautiful World/作詞:Utada Hikaru 作曲:Utada Hikaru

新聞は世の中で起こっている、様々なニュースがたくさん報じられています。

ところが、主人公が知りたいことは書かれていなかったようです。

主人公の知りたいこととは何のことでしょうか。

それはとある人物の近況でした。

「君」なのか、それともまた別の人なのか。

とりあえず、主人公の親しい人であることは間違いありません。

相手の身体を気遣うなんて、大切な人でなければできることではありませんから。

とはいえここで強調しておきたいのは、主人公が望んでいるのは「相手が元気でいること」ということです。

「今どうしているのか」まで知る気はないのでしょう。

「君」と一緒にいられるなら

僕の世界消えるまで会えぬなら
君の側で眠らせて どんな場所でも結構
Beautiful world
儚く過ぎて行く日々の中で
Beautiful boy
気分のムラは仕方ないね

出典: Beautiful World/作詞:Utada Hikaru 作曲:Utada Hikaru