曲の大枠
R-指定の生き様が分かる1曲
同曲のタイトルは【生業】です。
この言葉は自身の生活を支えるための仕事を意味します。
つまり遊びや副業ではなく、本業のことです。
このタイトルからもCreepy Nutsの本気度がうかがえますね。
「遊びでラップやってる奴とは違う!」という声が今にも聞こえてきそうです。
いかにも真面目に経験を積み上げてきた彼ららしいタイトルといえるでしょう。
そして同曲の作詞はラッパーのR-指定が担当しています。
つまりR-指定が思う、ラップについての楽曲だということです。
R-指定の特徴と言えば、リズミカルで正確なフロウや細かく粒の揃ったライム。
さらには圧倒的な語彙力と技巧的な韻踏みです。
ダイナミックな歌い方でありながら、精巧に出来ている彼のラップ。
そんなスタイルに魅了される人は後を絶ちません。
この楽曲では彼の生き様が分かります。
そしてさらに彼のラップスタイルがどのように完成したのか。
そのルーツも知ることが出来ます。
ファンにとっては待望といっていい楽曲の1つでしょう。
控えめなサウンドが雰囲気を演出
【生業】は非常にシリアスな雰囲気の楽曲です。
まるでR-指定の独唱のようにも思えます。
自分の生き様を淡々と語るR-指定。
しかしそのラップを引き立てているのは他でもないDJ松永です。
同曲では、サウンドは最低限。
あくまでR-指定の声そのものをメインとしています。
しかしその裏でひたすら四分を刻み続けるDJ松永。
淡々と歩き続けるバッキングもまたより同曲のシリアスさを助長します。
そして所々で盛り上がりのスパイスを追加。
パタッとバッキングが消えることを意味する「ブレイク」も随所に入り、曲にメリハリが出来ます。
冷静さを保ちつつ、ときに情緒的になるサウンドとラップが見事にリンクしているのです。
主張はしないものの、サウンドの効果もかなり大きいものです。
ラップへの姿勢
圧倒的な自信
一本のマイク それだけ
一本のペン それだけ
一枚のペーパー それだけ
でも無いなら無いでも別にかわまねぇ
dopeなbeets それだけ
ステージとスピーカー それだけ
でも無いなら無いでも別にかわまねぇ
アカペラでも聴けるラップだぜ
出典: 生業/作詞:R-指定 作曲:DJ松永
早速歌詞を見ていきましょう。
同曲の歌い出しは非常に静かです。
ぽつりぽつりとつぶやくように始まります。
そこでR-指定が呟くのは「ラップに必要なもの」。
ラップはマイクと、歌詞を書き綴る紙とペンさえあればいいと表現しています。
用意すべきものは非常に単純です。
しかしそれらが揃わなくても、問題ないという歌詞が次に登場します。
さらにはラップを盛り立てるビートや舞台なども不要だと豪語しているのです。
これはラップに対する圧倒的な自信があるからでしょう。
その次の歌詞では「声だけで観客を魅了できる」という趣旨の歌詞があります。
R-指定はどんな環境でも、自身の声さえあればライブが出来ると表現しているのです。
技巧派ラップで客を沸かせる
64小節の旅の始まり
落とし込む殺し文句、君の耳の中に
合法的にトビたい?なら俺がデリバリー
特殊工作スパイス効かすこの言葉に
バスドラ発スネア行き
出典: 生業/作詞:R-指定 作曲:DJ松永
では不揃いな環境の中でどのようにラップを披露するのでしょうか。
どんな環境でも、R-指定に全く不安はないようです。
どんな場所であれ、彼には確かなスキルがあります。
客が沸く必殺技のような言葉、そして気持ちのいいフロウ。
それを彼は熟知しています。
韻踏みのクオリティに関しても、彼はラップ界で有名です。
そんな彼の持つ技や知識全てを駆使すれば、道具など要らないのでしょう。
そして自らそれを豪語する程に、自信に満ちているのです。
R-指定のルーツ
何も知らないことが強み
場末の田舎からdo it!
バース蹴飛ばす梅田駅前
かつてのクソガキの武器は無知
と減らず口 尖ったペン先
出典: 生業/作詞:R-指定 作曲:DJ松永