ところ変わって彼の現在の生活。恋愛の交響楽なら第2楽章です。
「憧れの都会」だから、たとえば彼女と一緒に地方にいることと、都会へ出て働くことは彼にとって大きな選択だったことでしょう。
まずは夢を優先して歩み始めた都会での新生活。
しかし仕事に追われて、毎日に押し流されている状況が、短いフレーズで端的に表現されています。
えっと…えっと… (岡)
「心配しないで」
えっと…えっと… (伊)
「大丈夫さ」
なぜだろう (髙)
君には聞こえていない気がした
出典: 桜、咲いたよ/作詞:作田雅弥 作曲:作田雅弥
さあ、再び「えっと」です。
基本的には彼の言葉でしょうが、「心配しないで」と中性的な語感にしたことで、彼女の言葉とも取れる「あいまいさ」を持たせています。
2人の(おそらく)電話での会話は、こうして言葉以上の「不安定」な感じを強く表しているのです。
会えない日々が来ることを (全員)
こわがってばかりいたけど
喜ぶべきか いつの間にか
強い自分を手に入れていた
出典: 桜、咲いたよ/作詞:作田雅弥 作曲:作田雅弥
大きく、そしてストレートに心情と日常の変化を表現したパート。
こわがっていたから強くなろうとしたのか、こわがっていることをやめようとしたのか。他の人間の存在(?)も匂わなくはなく、心の動きがもはや決定的になった、この作品のポイントとなるフレーズでしょう。
曲全体を通して「別れ」という言葉を使うことなく、まさに彼女との関係の終わりをせつなく表している場面ですね。
でも前向きに。でも…
忘れたくても全てが君を連想 (有)
かき消す為流す
二人のエンドロール
君の経路、僕の回路
君へ帰ろうとしたこの感情
いつも近くで支えてくれた
離れて気付く君の心地よさ
顔を上げて 見てたSame Day
列なるチェリーブラッサム
出典: 桜、咲いたよ/作詞:作田雅弥 作曲:作田雅弥
ここで転調してラップ! 有岡くんのソロパートが際立ちます。
歌詞は小刻みに韻を踏んでリズム感を持たせています。「強い」曲調になったことで、あふれ出る想いが、これでもかと後をついてくる感じが強く出ていますね。
経路、回路、まさに感情の「発露」!
もちろん、「離れて気付く」とは住む場所が“離れて”と心が“離れて”のダブルミーニング!!
そして一緒に見ていたチェリーブラッサム(桜)の季節がまたやってきます。
春の代名詞「桜」。2人が見る桜は
春が来て 今 僕の住む (八)
灰色のこの街にも
目がくらむほど 桜、咲いたよ(山)
涙がこぼれてきた
君の笑顔も泣き顔も (全員)
誰よりも知っていたのに
遠くの街で
君がどんな顔しているかなんて
僕はこれっぽっちも知らない (山)
出典: 桜、咲いたよ/作詞:作田雅弥 作曲:作田雅弥
「灰色の街」(=大都会)にも桜は咲きます。
桜が咲けば目がくらんでしまうほど、都会の景色には色がないんです。
本当は「僕の住む街にも桜が咲いたよ」と、笑顔も泣き顔も知っている彼女の前で話したかったでしょうね。
または、僕の住む場所へ彼女が来て、一緒に桜を見たかったかもしれません。
そう、となりで話す「桜、咲いたね」ではなく、遠くに届ける「桜、咲いたよ」、なんです。
今2人は離れています。これからそれぞれで強く生きていくのか、それとも…。
最後の「僕はこれっぽっちも知らない」は、「知らないけれど…」と、ここからの新たなストーリーの始まりをも予感させます。
そんな前向きな「強い覚悟」も込めながら、同じ感情を経験し、そしてこれから経験するだろうたくさんの「2人」への応援ソングでもあるのです。
足りない言葉には、たくさんの想いがこもっている
メンバーのパート割としては山田くんで始まり、山田くんで終わるという、最初から最後にかけてループしていく感じも魅力ですね。
「桜、咲いたよ」は「深読み」するのでなく、1つの表現の周りに漂っているイメージに思いをはせると、込められたいくつもの意味が感じられるかもしれません。
そうした視点で、あなたの好きなHey! Say! JUMPの名曲の歌詞をじっくり味わってみてはいかがでしょうか。 また、「桜、咲いたよ」自体が、なかなか生でも聴く機会の少ない名曲。
まずは音源で何度でも聞いてほしい! そしてもともとのパート割もとてもいいですが、メンバーが担当以外のフレーズを歌うところも聴いてみたいですね。
そうしたらまた違ったシーンが浮かんでくるかもしれません。
さらに、ぜひこちらの曲も聴いてみてください♪
【ただ前へ/Hey!Say!JUMP】は笑顔になれる応援ソング♪気になる歌詞を紹介! - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
Hey!Say!JUMPの13rdシングルの通常盤初回プレス仕様にしか収録されていない「ただ前へ」という楽曲。この曲を聴くだけで元気をもらえる・笑顔になれるとファンの中でも人気の隠れた名曲なんです。特に歌詞は秀逸なので、注目ですよ!
元気を出したい人に贈るエールソングです。
これを聴けばきっと活力が湧いて出てくるでしょう♪
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