整然と並ぶ列の中で
私はどこにいるのだろう?
正しい居場所がわからない
誰かの陰に そう 埋もれてしまってるんだ
行儀よく並ぶ大勢の人たちに紛れて…
出典: Position/作詞:秋元康 作曲:青木康平
行列に並ばなければいけないときがあります。
目的があって望んで並ぶこともあれば、仕方なく並ぶこともあるのでしょう。
作られた列の中に命令されるように並んで、前後も右左もふさがれてしまう。
並ばなければいけないと分かっていても、自分がここにいる意味が見出せません。
整えられてまっすぐに並んでいる様子はキレイと表現できます。
でもそれは整然とした列がキレイなだけ。列を作る人それぞれに対する評価ではありません。
それを分からなければ作れないキレイな列。
自分が今立っている位置に、私以外の人が立ってもキレイな列はそのままです。
ここにいる意味が分からない…自分はここにいていいのか?どこにいるべきなのか。
いつもの笑顔で列を乱さないように立ち続けます。感じている息苦しさを隠して…。
目指す位置は0番!
自分から中心へ動きたいよ
頭はわかってもどうすればいい?
出典: Position/作詞:秋元康 作曲:青木康平
ステージに立つ人が必ず覚えなければいけないのが「場ミリ」と呼ばれる『Position』を示す番号。
ステージのセンターは0番。そこを起点に下手と上手に向かって数字が増えていきます。
「0番に立って」と言われたらセンターに立つことです。
行きたい立ちたいステージの0番に、でも0番の印が自分を拒否するように輝きます。
決められた位置に立たなければいけないのは十分分かっています。
その時の能力と実力で決まってしまう立ち位置。
自分が本当に立ちたい場所はいつも誰か他の人が立っています。
あの人と同じくらいに、いやそれ以上に自分だって努力をしたはずです。
だったら、自分が立ちたい位置に自分の意志で行くことが許されるのでは…。
そんなことを思いながら今日も前の人の背中を見ながら踊ります。
右と左の人とぶつからないように踊るのはすっかり上手くなりました。
試されてるの?神様に
自分が望んでいることは分かっているのに、どう動けばいいのか分からない。
今日も運命を司る神たちが私を見ているのに…。
次にどこに行けばいいの
神よ ここで何を求める?
光り輝く存在のために…
人は何を夢見る?
どんな私を期待するのか?
出典: Position/作詞:秋元康 作曲:青木康平
「神」は自分たちの動きを常に見ていて、ジャッジを下す人たちを表しているのでしょう。
腕組みをしたまま座席からステージに向ける目は、上から見下ろすような視線です。
ステージ上で輝きを放つ条件を満たした1人を見つける目。
どうすれば自分は選んでもらえるのか?正解が分かりません。
ステージを見る人の憧れの存在になる方法はあるのでしょうか。
自分が目指すことと見る人の望むことが違えば、認められない厳しい世界。
次に行くべき場所はどこなのか、自分も見る人も願う『Position』に迷わず行けるのか。
「神」に見下ろされながら、不安なまま今はダンスを続けます。
変われ…自分!
ああ もう 始まってるよ
(新しい夜明け 新しい時代)
変わらなきゃいけないんだ
Positionを探せ!
出典: Position/作詞:秋元康 作曲:青木康平
ステージに立って音楽が始まれば歌って踊らなければいけません。
今日もまた決められた『Position』にいます。そこが自分の立ち位置だから。
昨日立ったステージと今日のステージは違います。
劇場に来るファンにとっては一期一会のステージになるかもしれないのです。
期待されている自分、それに応えられるかどうか迷っている時間はありません。
新しい歌が待っています。現状を変えるのは自分です。
新しい立ち位置を見つけるため、そこに立つために変わります。