「あなた」に出会う前の主人公は「誰でもいいから寂しい気持ちを埋めてほしい」と思っていたのかもしれません。
しかし「あなた」に出会ってから、そんな気持ちは消えてしまいました。
主人公の気持ちを満たしてくれる存在は「あなた」だけなのです。
「あなた」ではない別の人と一緒に時間を過ごしたとしても、主人公の寂しい気持ちは恐らく埋められません。
主人公にとって「あなた」はかけがえのない存在となりました。
「空の青さ」とは?
あなたに出会えなければ この空の青さも知らないまま
ありがとうって伝えたい 信じられるよ 泣いてもいいよ
儚き 愛しい日々
出典: はなびら/作詞:奥華子 作曲:奥華子
「空の青さ」とは、恋することの素晴らしさを指しているのでしょう。
「あなた」に出会って恋をしたから、主人公は他人の幸せを願う人間へと変わることができました。
そして「あなた」との心の距離が近くなるにつれて、主人公の抱えていた寂しさも消えました。
寂しくて孤独だった日々から、心が満たされている日々へと180度変わったのです。
最悪だった日々から救い出してくれた「あなた」に向けて、主人公は感謝の気持ちを伝えていますね。
そしてこれからも「あなた」のことを信じ続ける気持ちでいっぱいのようです。
しかし、ここで「儚き」というやや寂しげな言葉が登場しています。
主人公は薄々と分かっているのでしょう。
「あなた」といつか離れ離れになってしまうということを。
「あなた」と一緒にいられる時間には限りがあり、そのうち別々の道を歩かざるをえなくなる…。
だから「儚き」と歌っているのだと思います。
2番~ラストの歌詞
ぎこちなく手を繋ぐ2人
眠れない夜の隙間に 少しだけ涙こぼれた
不器用に繋いでた手は 今もまだ 優しくて
出典: はなびら/作詞:奥華子 作曲:奥華子
ここでは、主人公が抱えている不安について書かれているようです。
「あなた」と一緒にいる時は心が満たされている主人公。
しかし、そうでない時間(眠れない夜など)を迎えると、不安な気持ちが一気に溢れ出してしまうのでしょう。
主人公と「あなた」は、お互いに好きな気持ちはあるものの、まだ付き合ってからそんなに月日が経っていないのだと思われます。
だから、手の繋ぎ方がぎこちなくなってしまうようです。
でも、強く手を繋げなくても、主人公は「手を繋いだ」という事実がとにかく嬉しくて仕方ないようですね。
自分のことが嫌いだったけど…
あなたが名前を 呼んでくれた時
はじめて自分を好きになれたの
出典: はなびら/作詞:奥華子 作曲:奥華子
「あなた」に出会う前は、自分のことをなかなか好きになれなかった主人公。
周りから大事にされていないと感じることが多く、自己肯定感も低かったのでしょう。
しかし「あなた」は、主人公のことをとても大切にしてくれました。
しっかりと気持ちを込めて、主人公の名前を呼んでくれたのです。
そんな「あなた」の愛を感じてから、自分を徐々に肯定できるように主人公が変化してきたことが読み取れます。
たくさんの愛を注いでくれた「あなた」
花びら舞い散るように あなたがそばにいてくれたから
大丈夫って伝えたい 強くなれるよ 一人じゃ見えない
景色をみつけたから
出典: はなびら/作詞:奥華子 作曲:奥華子
花びらがひらひらと頭上でやさしく降り注ぐように、主人公へ愛を注いでくれた「あなた」。
そんな「あなた」に対して主人公は「大丈夫」と伝えています。
「あなた」と出会ったばかりの主人公は「あなた」がいないと、すぐに不安な気持ちになっていたのでしょう。
しかし「あなた」からたくさんの愛情をもらい、強くなることができたのです。
愛の力は"人を強くする働き"があるようですね。
さよならが言えなくても…
さよならが言えなくても 悲しみが消えなくても
大切な時間の中で 今を生きて 笑っていて
出典: はなびら/作詞:奥華子 作曲:奥華子
いつか別々の道を歩かないといけない…と分かっていた主人公。
いよいよ、その別れの時を迎えました。
しかも、最後にさよならを直接言わないまま、別れることになってしまったようです。
きっと直接告げてしまうと、悲しい気持ちが溢れ出してしまうから、別れを告げなかったのでしょう。
悲しい気持ちが爆発してしまい「あなた」を困らせたくない!と思ったのかもしれません。
そんな別れ方をしたので、当然主人公の気持ちはスッキリとはしていないことが読み取れます。
しかし、悲しみを引きずりながらも「あなた」が別の場所で幸せに生き続けることを願っていますね。
「あなた」が前を向いて、今の時間を楽しく過ごしてくれたらそれでいい。
そんな一途な愛を抱いているようです。