自信を持って生きてゆきたい
伸ばしたこの手は
光の向こうに
願ってる未来が
あるから
出典: Song 4 u/作詞:ayumi hamasaki 作曲:HINATAspring Yuta Nakano
楽曲のサビへの架け橋になっている箇所です。
光や輝きを志向する「僕」の心情・信条が露わになります。
自分に自信を持って生きていこうという意志が感じられるはずです。
暗くなる可能性にも言及しながら、最終的には前向きな生き方を選ぶ青少年の姿が凛々しいでしょう。
心の支えは誰なのか
挫折を知らない人の生き方はリスナーの共感を得ません。
どこかで危うさを抱えている自分に気付きながら前へ向かう「僕」の姿勢こそが支持されるのです。
光を志向するのは闇の部分を知っているからこそでしょう。
自分に自信が持てない状態であると太陽の光にも与れない。
だからこそ自信を回復して光へと突き進むのです。
しかしこれは「僕」ひとりの力でできることではないでしょう。
陰に「君」という存在がいるからこそ光ある世界を目指します。
私たちの心の支えになるものは愛する人の存在です。
有形無形での「君」からの後押し。
そして「君」の人生にも責任を持たないといけないと思うからこそ自信を回復させます。
誰かと交際するということはその相手の人生までも背負う覚悟がないと長続きしません。
「僕」は自分のためにも、「君」のためにも光の向こうへと進んでゆくのです。
おそらく「僕」の夢は「君」という未来なのでしょう。
「君」が流す涙に
ダイナミックなサウンドに支えられ
聴こえてる 感じてる
泣いたままで 君のままで
そこでそうして 伝えてる
届くから 響くから
僕は僕のままで 君の
哀しみごと 抱きしめるよ
出典: Song 4 u/作詞:ayumi hamasaki 作曲:HINATAspring Yuta Nakano
いよいよサビになります。
サウンドがダイナミックに唸ってゆき、浜崎あゆみの歌唱も頂点を目指すのです。
ギターの重い音とドラムのビートがこれまでのサウンドからの変化を特徴づけます。
この先はこのサウンド・プロダクションがベースとなって曲が進行するのです。
歌詞はふたりの固い絆を描いています。
特に「僕」の力強さに感動を得る瞬間です。
ポジとネガを同時に抱く
「君」は悲しみを「僕」に伝えます。
「僕」に直接悲しみをぶつけるのではなく「君」はひとりで泣いているのです。
「僕」はその泣き声に敏感になっています。
実際に「僕」の目の前で泣くことはないのかもしれません。
「君」はひとりでいるときに不安になってしまうのでしょう。
そうした「君」の心の些細な動きに「僕」は手を差し伸べようと必死になるのです。
若いながらも支え合いながら生きるふたりの姿が美しいでしょう。
「君」は悲しみを抱えているのですから、若干ですがネガティブさを抱えています。
それでも「僕」はそのネガティブさを抱きすくめてすくい上げようとするのです。
人が悲しみを覚えるとき誰かがそばについていてあげることはとても大事なことでしょう。
相手のネガティブな側面に嫌気が差して見捨てるような人は幸せになれるでしょうか。
誰しもポジとネガを持ち合わせています。
人生や生活がうまくいかないときにネガティブさを見せてしまうのは仕方のないことです。
こうした当たり前のことを理解してくれる人に恵まれた人生は幸せでしょう。
浜崎あゆみは「Song 4 u」で「泣く女」を救ってくれる男性を描きます。
自身の願望を投影したのかもしれません。
せっかく結ばれたのですから助け合って生きてゆくのが大切なことなのです。
思春期の戸惑い
ビートが「僕」を支える
今だってそんなに
自信はないよ
踏み出せない時もあるよ
もし間違ってたり
繰り返しちゃったり
したらどうしようって
出典: Song 4 u/作詞:ayumi hamasaki 作曲:HINATAspring Yuta Nakano
力強いビートによって曲が進みます。
一方で歌詞の中の「僕」は躊躇しながらも前へ進むのです。
自信がない「僕」の足取りをビートが補足します。
様々な逡巡を繰り返しながらも前向きな印象が変わらないのはこのビートのお陰でしょう。
不安を口にする「僕」の揺れ動く気持ちをかろうじて支えてくれるビートに感謝しましょう。
歌詞を深く読み込んでいきます。