「Fall」とは落ちること
ドラマために書き下ろされた楽曲
日本テレビ系連続ドラマ『きょうは会社休みます。』の主題歌として書き下ろされました。
ドラマを見ていた人からは、聞くとドラマを思い出すと絶賛されています。
『きょうは会社休みます。』は恋愛を知らなかった女性の恋物語。
ドラマと同様にこの曲は恋によって代わり映えのない生活が一変した女性を歌っています。
『世界に一つだけの花』などの穏やかな曲とは違ったアップテンポの曲。
槇原敬之の初期作品を思わせるつくりとなっています。
甘さのないそのスピード感が落ちていく感覚を味わせてくれます。
落ちるときは、甘さもなく一瞬です。
恋とは
この曲のMVは女性がひたすら落ちていく様子を描いています。
恋はするものではなく落ちていくものだと聞いたことはあるでしょうか。
自分の意思でできるものでもなく、きっかけがあればいつだって落ちる可能性があるもの。
それは大人になってからだってあり得るものです。
真面目に行き、仕事をしていた会社を思わずズル休みしてしまうほどの感情の揺れ。
理屈や理性だけでは測りきれません。
そんな恋の世界へ、主人公と一緒に落ちていってみましょう。
日常は退屈
平穏である平和である、これは素晴らしいことです。
人とかかわらず恋なんてものを知らず、それでも平和に生きてけるならば素敵なことでしょう。
しかし、平穏と退屈は隣合わせなもの。
日常に退屈して願うのは、特別な何かです。
「けれども」の声
何時でも決まった事を
一人で淡々とこなす
人が絡まない分だけ
問題も起こらないけど
出典: Fall/作詞:槇原敬之 作曲:槇原敬之
どんな仕事も長く続けていたら常態化していきます。
入社当時は誰かに聞いていたことも聞く必要がなくなって1人でこなせるようになり...
とても安定した日常を送ることができるようになります。
トラブルのない日常、心の安寧にとっては素晴らしいものでしょう。
他人と必要以上に関わるとトラブルだらけで心の休まる暇はありません。
そう思い、日々の日常をこなしています。
けれども、そうけれどもと心のどこかの主張。
その安定した日常に疑問を、不満を抱いている声が確かに聞こえているのです。
非日常に恋焦がれる、求める心の声が確かに。
代り映えのしない日常に意味はある?
昨日と今日が知らずに
入れ替わっていたとしても
気付けないような日々を歴史と呼べず悩んでた
出典: Fall/作詞:槇原敬之 作曲:槇原敬之
毎日はすべて違う日だという人がいます。
同じことの繰り返しのように思えてもどこか違うのだと。
実際全くそっくり同じ日はあり得ないでしょう。
車の込み具合だって、前を走っている車だって日によって違っています。
しかしそんなものは大まかに見れば似たようなものです。
他ならない自分の意識が同じことの繰り返しだと感じているのならばそんな理屈に意味はありません。
ある仕事を行ったのが昨日のことのようにも一昨日の事のようにも思え判別つかない主人公。
ルーチンワーク化してしまって日付を意識することもなくなっています。
そんな日々を自分が歩んできた軌跡として人に紹介できないと思い悩んでいるのです。
自分が何を成したのかわからない。
そんな日常に意味を感じることもできないままそれでも続いていく日常があります。
安寧の裏に潜んでいるのは、退屈という名の魔物です。
その手を待っていた
それは唐突に
そんなとき君が現れて
こっちへおいでと手を伸ばす
その手に一瞬触れただけで
世界が違って見えた
出典: Fall/作詞:槇原敬之 作曲:槇原敬之