「16」2番

空に魅せられて

andymori【16】歌詞の意味を解説!16のリズムは何を示す?空の青さに投影された日常の葛藤とはの画像

空がこんなに青すぎるとなにもかも捨ててしまいたくなる
空がこんなに青すぎるとこのまま眠ってしまいたい

出典: 16/作詞:小山田壮平 作曲:小山田壮平

ここから2番の歌詞パートとなっています。

空を見上げている主人公。

この楽曲では空という単語が頻繁に出てきています。

全体の歌詞を通して、主人公が空という存在に対して憧れを抱いているかのような印象を受けるのです。

この楽曲で登場している空という単語は、退屈な日常からの解放を意味しているといえるでしょう。

主人公は信じられないほどに青い空を見上げて、どこか茫然自失しているような様子です。

この世のものとは思えないその青に、何もかもどうでも良くなっているというような状況でしょうか。

変わらない日常の中でどこまでも続く青を見上げること。

青い空に心が奪われているのでしょう。

「16」と嘘

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16のリズムで空をいく 昔の誰かに電話して
貰った花をまた枯らしながら今度呑もうねと嘘をつくのさ

出典: 16/作詞:小山田壮平 作曲:小山田壮平

空に対しての憧れが表現されていた前述のパート。

それを経た後だと、ここで出てくる空というワードからも開放感が感じられます。

しがらみの多い普段の日常から解放されて、空を小気味よく歩いてみたい。

そんな想いが感じ取れる言葉です。

このパートでは、主人公は旧友へと電話をしています。

誰かと話したい気持ちが出てきて、ふと思い立って電話をしたのでしょうか。

2行目で彼は、突然電話した相手を飲みに誘っているのです。

しかし、それが本当に実現することはないということも分かっているのでしょう。

「花」というワードから感じるのは、そんな自分を自虐的に表現している様子。

自分はどうしようもないとでもいいたいような表現です。

小山田壮平にとっての「歌うこと」

「祈り」のように

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祈りを込めて歌うように 神様に会いにいくように
16のリズムで空をいく 明日もずっと空をいくのさ

出典: 16/作詞:小山田壮平 作曲:小山田壮平

いよいよ、この楽曲のラスト2行の歌詞となりました。

ここでは「祈り」や「」という言葉が出てくることから、どこか神聖さが感じられます。

彼がそんな風に想いを込めて行う行為といったら1つしかありません。

主人公、すなわち小山田壮平にとって、空のように解放的になれる行為というのはずばり「歌うこと」です。

「祈り」のように歌を歌うことで、明日が少しでも良くなるように。

昔から歌うことでつまらない日常を昇華させようとしてきたのでしょう。

どこまで行っても、代わり映えのしない街の中で生きること。

いつからか、自分自身の行為によってそんな日々をかけがえのないものにできるということを悟ったのでしょう。

歌うことで、どこまでも遠くへ行くことができる。

彼は、自分の心の世界を歌で表現することで、空のように広い場所へ行けるのです。

解放される退屈な日常

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16のリズムで空をいく

出典: 16/作詞:小山田壮平 作曲:小山田壮平

退屈で変わらない日常を、自分なりの目線で歌にすること。

それが彼にとって、何よりも自由になれる行為なのでしょう。

そしてそんな「歌」を通して、この世界は案外悪くないと私たちに教えてくれているのです。

この楽曲からは、そんな小山田壮平の創作への姿勢が伝わってきました。

解散後、2015年からはALというバンドで新たに活動している小山田壮平。

andymoriとは形を変えながらも、彼は「歌う」ということをやめません。

彼にとっては、その行為は生きるということと同じくらい、大切なことなのでしょう。

まとめ

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