BENI
昨年2017年は、自身初となる47都道府県全てを回る全国ツアーを敢行したBENI。
その圧倒的な歌唱力で、日本全国を魅了したBENIの勢いはまだまだ続いていくようです。
そして、BENIといえば忘れてはならないのが、英語詞カバーシリーズ。
2012年3月に初となる『COVERS』をリリース。このアルバムはオリコン週間アルバムチャート2位を獲得、BENIを代表する作品となりました。
もともとはライブなどにおいて披露していた他のアーティストのヒット曲のカバーがとても好評を博し、ファンが音源化を熱望したことからこのシリーズは始まったようです。
記念すべきシリーズ1枚目には、全て男性アーティストの作品のカバーとなりました。
平井堅の「瞳をとじて」や、スピッツの「ロビンソン」、小田和正の「ラブ・ストーリーは突然に」、福山雅治の「桜坂」など、収録曲は歴史に残る名曲揃い。
これを全て英語詞にして女性のBENIが歌い上げるのですから、BENIのファンは当然、原曲のファンの方も聴かずにはいられないのではないでしょうか。
原曲をリアルタイムで知らない若い世代に、音楽の素晴らしさを伝えるという面でも、大きな意味を持ったアルバムになったのではないでしょうか。
同じ年に、2枚目のカバーアルバムをリリース!
その後も2012年の11月に、シリーズ2枚目となる『COVERS:2』をリリース。
この作品もまた男性アーティストの曲ばかりとなりました。
山下達郎の「クリスマス・イブ」やASUKAの「はじまりはいつも雨」、尾崎豊の「I LOVE YOU」など、往年の名作といえるレベルの作品揃い。
前作よりちょっと渋めの曲選択となっています。
『COVERS』のリリースから約8ヶ月と短いスパンでのリリースとなりましたが、この作品もオリコン週間アルバムチャート5位を記録。
如何にこの2作品の完成度が高く、多くの人に受け入れられたのかがわかる結果となりました。
ライフワークになりつつある……?
そして2013年には、今回お届けするレミオロメンの「粉雪」のカバーも収録されている第3弾『COVERS:3』が登場。
やはりこのアルバムも男性アーティスト作品ばかりとなり、男性アーティストのカバーは定番となっていることが窺われますね。
あえて声質の違う男性の作品のカバーすることに、アーティストのとしての面白みを感じているのではないでしょうか。
桑田佳祐の「涙のキッス」やORANGE RANGEの「花」、井上陽水の「ワインレッドの心」など、またこの作品も新旧取り混ぜた贅沢な選曲。
こうなってくると、もう次が楽しみで仕方なくなってきますね。
そしてまだ記憶にも新しい2017年9月には、第4弾『COVERS THE CITY』がリリースされました。
この作品は秦基博の「ひまわりの約束」や福山雅治の「家族になろうよ」などに加えて勢いのある若手バンド、UNISON SQUARE GARDENの「シュガーソングとビターステップ」などを収録。
これまでにないバラエティに富んだ選曲となり、このシリーズの新境地を見せてくれました。
BENIには、このカバーシリーズをライフワークとして定期的にリリースして欲しいと願うファンは、少なくないのではないでしょうか。
「粉雪」
原曲はレミオロメンの大ヒット曲!
今回ご紹介する「粉雪」は、もとは2005年にレミオロメンがリリースした曲です。
ドラマ『1リットルの涙』の挿入歌として起用され大ヒットとなり、オリコン週間シングルチャートでは2位を記録。
カラオケでも高い人気を誇り、レミオロメンを代表する曲ともいえます。
歌詞の内容を、一部見てみましょう。
粉雪舞う季節はいつもすれ違い
人混みに紛れても同じ空見てるのに
風に吹かれて 似たように凍えるのに
僕は君の全てなど知ってはいないだろう
それでも一億人から君を見つけたよ
根拠はないけど本気で思ってるんだ
些細な言い合いもなくて同じ時間を生きてなどいけない
素直になれないなら 喜びも悲しみも虚しいだけ
粉雪 ねえ 心まで白く染められたなら
二人の孤独を分け合う事が出来たのかい
出典: 粉雪/作詞:藤巻亮太 作曲:藤巻亮太
粉雪は、ふわふわと儚くすぐに溶けて消えてしまいます。
その儚さのように、始めは誰もが持ってたはずの恋人のことを愛しく大切に思う気持ちや、そばにいたいという気持ちが、時が経つにつれて、当然になってしまうこと。
忘れたわけではないけれど、いてくれるのが当たり前になってしまって、鈍感になってしまう。
そういう気持ちを表しながらも、そういう関係にはならないように、悩みつつこれからのことを考える、そういった雰囲気の歌詞となっていました。
BENI「粉雪」の歌詞
では、BENIの英詞ではどんな内容になっているのか、和訳してみてみましょう。
Blankets of snow, the call of seasons come
So peacefully celestial
Our roads they part, nowhere to find ourselves
A different place yet they’re all the same
We still try to carry on
In the bitter white and still unseen
出典: 粉雪/作詞:藤巻亮太 英詞:BENI・Eric Zay・Seiji Motoyama 作曲:藤巻亮太
雪が毛布みたいに降りしきり、季節の始まりを告げるの
とても平和で、神秘的ね
私たちの進む道のどこにも、私たち自身が共にいる場所を見つけられなくて
まだずっと同じ、別々の場所にいるの
ほろ苦いこの雪の白さと、まだ見えないものを感じながら
私たちはそれでも続けていこうとしたけれど