定番の卒業ソング「3月9日」

春。出会いと別れのシーズン。今回は、この季節になると必ずどこかで耳にする、「3月9日」の歌詞をとりあげます。

この「3月9日」。卒業式の合唱などで歌われ、定番の卒業ソングとしてよく知られているところですが、もともとはメンバーの共通の友人の結婚式を祝うために作られた曲だったそうです。(その結婚式の日が3月9日)

結婚式を祝う恋愛ソングがなぜ定番の卒業ソングとなったのか?歌詞から読み取れる「3月9日」の意味とは?

歌詞を深堀りしながら探ってみたいと思います。

レミオロメン「3月9日」「恋愛ソング」が「卒業ソング」として歌われ続けている理由とは?の画像

レミオロメンと「3月9日」

メンバー
藤巻亮太(ふじまき りょうた、1980年1月12日 - )ボーカル・ギター担当。
前田啓介(まえだ けいすけ、1979年9月11日 - )ベース・コーラス担当。
神宮司治(じんぐうじ おさむ、1980年3月5日 - )ドラム・コーラス担当。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/レミオロメン

レミオロメンは2000年に結成後、ライブ活動などを経て、2003年メジャーデビュー。

翌2004年3月9日に「3月9日」をリリースします。

この「3月9日」は、2005年に放送された沢尻エリカさん主演のテレビドラマ「1リットルの涙」で、「粉雪」とともに挿入歌として起用され、話題になりました。(「3月9日」は、合唱コンクールの課題曲という設定)

その後も、ライブ活動、アルバムシングルの発表など精力的に活動を続けてきましたが、2012年2月に活動休止を発表。

現在は、メンバーそれぞれで音楽活動を続けています。

レミオロメン「3月9日」「恋愛ソング」が「卒業ソング」として歌われ続けている理由とは?の画像

「3月9日」の歌詞に迫る

それでは、ここから「3月9日」の歌詞を詳しく見ていきたいと思います。

流れる季節の真ん中で
ふと日の長さを感じます
せわしく過ぎる日々の中に
私とあなたで夢を描く

3月の風に想いをのせて
桜のつぼみは春へとつづきます

出典: 3月9日/作詞:藤巻亮太 作曲:藤巻亮太

季節は春。暖かくなって日も長くなってきています。

そんな中「私」と「あなた」は、未来へ向けて夢を描きます。

今はつぼみだけど、きれいな、すばらしい花を咲かせるために、育てていこうとする「想い」が感じられます。

「私」と「あなた」をある特定のふたりの男女と考えると、『結婚に向かうふたり』の愛の育みという解釈になりますが、「私」と「あなた」を友人や家族、仲間と考えると、夢にむけてがんばっている『親しい関係性をもった人びと』の営みという風にも解釈できます。

ここからは、『結婚に向かうふたり』的な解釈と『親しい関係性を持った人びと』的な解釈に分けて、読み解いてみたいと思います。

溢れ出す光の粒が
少しずつ朝を暖めます
大きなあくびをした後に
少し照れてるあなたの横で

新たな世界の入口に立ち
気づいたことは1人じゃないってこと

出典: 3月9日/作詞:藤巻亮太 作曲:藤巻亮太

『結婚に向かうふたり』的な解釈でいけば、穏やかな朝、大きなあくびをするくらい心を許してくれている「あなた」、少し照れるくらいまだ恥じらいがある「あなた」、そんな愛おしいあなたが隣にいて、安心感をくれる瞬間をとらえ歌詞といえます。

一方、『親しい関係性を持った人びと』的な解釈でいえば、たとえば、穏やかな朝、授業前のクラスの一コマとして捉えることができるかもしれません。

いずれにしても、新しい「旅立ち=出発」のとき、気づくことは「自分は1人じゃない」ということです。

瞳を閉じれば あなたが
まぶたのうらに いることで
どれほど強くなれたでしよう
あなたにとって私も そうでありたい

出典: 3月9日/作詞:藤巻亮太 作曲:藤巻亮太

『結婚に向かうふたり』的には、「あなた」がいたから強くなれた「私」は、「あなた」のために強くなりたい(支えてあげたい)と思っている、という解釈になるでしょう。

一方、『親しい関係性を持った人びと』的にいうと、このサビのフレーズは「私」と「あなた」を超えた普遍性を感じます。

誰しも、人に支え、支えられ、生きています。

自分が存在しているのは、数多くの「あなた」がいるから。

それは、たとえばクラスメイトかもしれないし、先生かもしれない。お世話になった人、全てに感謝して、自分もその恩返しができるような存在になりたい…

そんな意味にもとれるフレーズです。

レミオロメン「3月9日」「恋愛ソング」が「卒業ソング」として歌われ続けている理由とは?の画像

砂ぼこり運ぶ つむじ風
洗濯物に絡まりますが
昼前の空の白い月は
なんたかきれいで見とれました

上手くはいかぬこともあるけれど
天を仰げば それさえ小さくて

出典: 3月9日/作詞:藤巻亮太 作曲:藤巻亮太

ここでは、『結婚に向かうふたり』をイメージさせるフレーズが続きます。

少し砂ぼこりが混ざった春の風。洗濯物を干すのに苦労して、たぶんイライラしているのでしょう。

そんなとき、空に見えた白い月は、自分の心を癒してくれたのでした。

「結婚して、いろいろ苦労することがあるかもしれないけれど、そんなこと大したことじゃない」

そんな意味が込められているのかもしれません。

青い空は凛と澄んで
羊雲は静かに揺れる
花咲くを待つ喜びを
分かち合えるのであれば それは幸せ

この先も 隣で そっと微笑んで

出典: 3月9日/作詞:藤巻亮太 作曲:藤巻亮太

穏やかな春の日の一場面です。

『結婚へ向かうふたり』的な解釈では、これからふたりで一緒に愛を育んでいこう、という気持ちが感じられます。

『親しい関係性を持った人びと』的な解釈をしてみると、「花咲くを待つ喜び」というフレーズは、たとえば「入学」や「就職」といった新たな門出を祝うという意味にとれるかもしれません。

また、「この先も隣でそっと微笑んで」というフレーズの中の「隣」にいるのは、家族でしょうか?友人や仲間でしょうか?

いずれにしても、「私」と「あなた」を超える奥深い歌詞に思えます。