だれのため存在するのか
最も自分が紛らわしい

出典: 乗り気/作詞:椎名林檎 作曲:伊澤一葉

ここまでの流れで、違和感の対象が、自分のおかれている状況や社会かとお思いでしょうがそうではないのです。

実は、そこに身を置き、委ね、それらを是としてしまっている自分自身に対する違和感なのです。

自分が生きるために取っている行動が、自分を殺しているのではないかと思いつつも日々を繰り返す。

そうして誤魔化し誤魔化し過ごす自分自身が一番不自然だと思っているということを語っています。

思考停止状態の日々に対する警鐘

クリックするだけの生活は人間として正しいのか?

リピーター率の多さが決定打のショッピングは、身体機能を鈍らせる麻酔剤。
昏睡して、抗体が出来て、後悔デジャヴュ。

出典: 乗り気/作詞:椎名林檎 作曲:伊澤一葉

これは何も仕事に特化した話ではありません。

買い物するにしても同じです。

スマホでサっと調べて、所定の流れでボタンをクリックするだけで物が届く。

誰にも会わず、家から出ず、実物も見ずに、ただなんとなく買い物が出来てしまう現代の買い物。

便利でとてもイイことなのですが、それに慣れ始めると当たり前になり、思考が鈍ってしまいます

物を手にとって、触って、比較して、検討してという脳の活動が一切働かないのですから。

これにもまた、何も考えずにルーティーンに流されている仕事の話と同じ違和感を感じています。

店側としては良くても自分はどうなのか?

好い顧客(カスタマー)…わたしは生きているの? 一体大丈夫?

出典: 乗り気/作詞:椎名林檎 作曲:伊澤一葉

違和感に気付きつつもまた同じようにボタンをクリックしてしまう。

お店からすれば大切なお客様です。

しかし、買い物する側は思考停止状態でなんとなく買い物している状態。

間接的に殺されているようなものです。

これって本当に大丈夫なのか?

違和感はどんどん膨らみます。

日々の行動に満足しているのか?

ただなんとなく過ごしていないか?

果たして
欲しているのか満更いやなのか
とてもあぶない
いつどこに存在するのか
最も自分が疑わしい

出典: 乗り気/作詞:椎名林檎 作曲:伊澤一葉

毎日の行動も、仕事も、買い物すらも考えずに行動してしまっていることに危機感を持っています。

生活費を求めて仕事をし、自分の生活を豊かにするために買い物をしているはずなのにその思考も疑わしい。

それらによって得た対価は本当に求めていたもので、得たことで満足しているのだろうか?

果たして満足とは何か…

そうなってくると、一体いつ自分の考えで、自分の意思で生きているのだろうか?

考えると、その瞬間が見つからないでいます。

考えずに生きているということ。

それは存在しないというのと同じなのではないでしょうか。

喪失感に満たされる

吸っているのかも吐いているのかも
もうおぼつかない
五体満足を無駄遣い
抑々下段がガラ空きなんじゃい

出典: 乗り気/作詞:椎名林檎 作曲:伊澤一葉

自分の存在がハッキリしていないと気が付くと、生きている実感がなくなります。

全ての状況を当たり前と捉えて、向上させることもせず、なんとなく消化する日々。

これって本来の幸せを無駄使いしているということです。

それに気付いたことで、ある考えに至ります。

自分の本質的な部分や、本来描いていた理想像を無視しているのではないかと。