上辺だけ取り繕っても意味がない
読みかじった文字面と、視たままの
数字を覚えて、知った気になっている
ようじゃあきょうも、丘サーファー…。
波の所為にはしたくない。
出典: 乗り気/作詞:椎名林檎 作曲:伊澤一葉
よく考えたら本来の自分や理想像を決して無視はしてこなかったはずなのです。
それに基づいた行動はとってきたはずですから。
しかし、実際は無視同然の扱いをしていたのです。
つまり、知ったつもりで見て見ぬ振りをしてきたということ。
そうしておざなりにしてきた結果が、今の自分を形作り、生きたまま死んだような状態を作っているのだと。
そして、理想を叶えられないのは自分が置かれている状況がそれを許さないからだと。
言い訳を塗り固めて正当化し、見て見ぬ振りを続けてきたのだと気付きました。
これは大きな気付きでした。
気付いたならやることは一つです。
それがここからの最後のサビで語られます。
感嘆符に込められた切り替えの瞬間
できることからなんでもやっていこう!
!!!
身包み剥いだ丸腰で
たかがこの身一つ手ぶらで
乗れるもの全部に乗ったれ
取っ掛かりなんて作っちゃえばいい
出典: 乗り気/作詞:椎名林檎 作曲:伊澤一葉
歌唱されないこの三連感嘆符(!!!)は、気持ちが切り替わった瞬間を表しています。
要するに、『乗り気になった』ということですね。
気付いた今だからこそできること。
それは、一旦自分の凝り固まった固定観念を取っ払い、フラットな気持ちで見つめ直すことです。
そして言い訳をせず、素直にぶつかっていくことも大切になってきます。
これは言わば新たなステージへの挑戦を意味します。
何かに挑戦しようとするとき、人はどうしても出来ない理由を探してしまいがちです。
でもそれはしないで、できる理由を探して、ないなら作ってでも挑んでいこう。
そう思えたということを伝えています。
手持ちの現状を理解して活かして生きよう
感じているより考えているより
からだがはやい
いまここに存在するのに
必要なものはもう持っているんだ
出典: 乗り気/作詞:椎名林檎 作曲:伊澤一葉
やる前から色々調べて考えて予見して、それの対策を立てて石橋を叩きに叩いてから始める。
そんなことしている暇があれば、まずは少しでもやってみることが大切だという意味ですね。
ある程度の下調べは必要です。
しかし、それに時間をかければかけるほど、見えない不安は増大し、できない理由が増えていく。
危険予知は生物の本能です。
思考を巡らせばその分、想像できる危険は増える一方なのですから。
だからまずは、できることから始めてみよう、ということですね。
そのために必要な行動力や判断力はすでに持っています。
あとは気の持ち様で、モチベーション高く、乗り気で行こう!
この曲で言いたいのはそういうことだと思います。
これでこの曲の解釈は終わりです。
まとめ
大人なら誰しもが経験したことのある感情を見事に歌い上げる『乗り気』の世界観。
いかがだったでしょうか。
何をするにも気持ちが大切で、気の持ち様で見える世界は変わるものです。
そういうことにも気付けないほど、現代人は疲弊していると思います。
その疲弊感や閉塞感を見事に再現した表現力はさすが東京事変ですね。
東京事変=椎名林檎さんの曲というイメージが強いですが、実際こうして他のメンバーも作曲しています。
それらの曲もしっかりと東京事変としてまとまっていて、とても聞き応えがあります。
この『スポーツ』というアルバムでも、ベストアルバムでもいいので一度手に取ってみてください。
きっと新たな世界が開けると思います!
【ご紹介】同アルバム『スポーツ』に収録された『能動的三分間』の歌詞解説
【能動的三分間/東京事変】タイトルの意味は丁度○○だから?!気になる歌詞の意味を紐解く【和訳あり】 - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
サムネを見れば一目瞭然でしょうが、タイトルの「能動的三分間」のとおり3分で構成されている曲です。歌詞解釈とちょうど〇分の楽曲も併せてご紹介します。
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