楽曲について

「インビジブル」はkemuによって2011年12月20日に投稿されたボーカロイドオリジナル楽曲です。

特徴的なのはGUMIと鏡音リンのツインボーカルによる疾走感あふれるメロディ。

何度でも聞きたくなる中毒性があり、ニコニコ動画では400万再生を達成しています。

インビジブルとは目に見えないものを表す言葉です。

言葉の通り、楽曲では透明人間になってしまった主人公の心情が歌われています。

彼はいったい何を経験して、どんな結末に至るのでしょうか。

歌詞の意味を詳しく解説していきます。

透明な主人公

信じられない出来事

とんでもない現象 どうやら透明人間になりました
万々歳は飲み込んで
ああでもないこうでもない原因推測をぶちまけて
一つ覚えで悪かったね
まあしょうがない しょうがない 防衛本能はシタタカに
煙たい倫理は置いといて
あんなこと そんなこと煩悩妄執もハツラツと

出典: インビジブル/作詞:kemu 作曲:kemu

ある日突然、主人公は透明になってしまいました。

彼の姿は誰にも見えず、壁でもなんでも自由に通り抜けることができます。

喜ぶ気持ちを抑えつつ、いったい何がきっかけとなったのか考える主人公。

ありきたりな想像が浮かぶばかりで、答えはよくわかりません。

こうなってしまったからには仕方がない、と主人公はしたり顔です。

誰にも彼を咎めることはできない今こそ、透明になったらしてみたかったことをやってしまおう。

意気揚々と外へと飛び出していきます。

目の当たりにした現実

聞きたくなかった陰口と
焼き付いたキスシーン
リセットは別の話
もう頭が痛いよ

出典: インビジブル/作詞:kemu 作曲:kemu

心踊らせていた主人公を待っていたのは辛い現実でした。

親しくしていた人が陰で自分の悪口をいっているのを目撃してしまったのです。

追い打ちをかけるように、恋い慕っていた人が誰かと口づけを交わしている場面にも遭遇してしまいます。

楽しい気分は台無しです。人生をやり直せたら。そんな気分にさえなります。

主人公の散々な様子が「人生リセットボタン」というkemuの前作の曲を織り込みつつ表されているのです。

こちらは人生をやり直せるボタンを手に入れた主人公の物語が描かれています。

興味を持たれた方は聴いてみてくださいね。

誰にも見えない

大嫌い嫌い嫌いな僕が 見えてますかルンパッパ
知らん 知らん 顔して 凭れるナナメが欲しいだけ
楽観 楽観 達観 楽観 達観 楽観視 僕は透明人間
見えないクセして 世迷い言垂れても 意味ないじゃん

出典: インビジブル/作詞:kemu 作曲:kemu

知りたくなかった事実に、主人公はショックを受けます。

彼らは素知らぬ顔をしながら、寄ってたかって主人公を貶めていたのです。

本人が目の前にいることに気づかずに、楽しげに話をしている友人たち。

主人公はあえておどけるようにして、自分はここにいるんだぞと悪態付きます。

「まあ、どうせ自分のことなんて誰も見えないのだから」

主人公はそう思い至ります。

存在しない人間に対して愚痴や不満を言うことになんの意味があるのでしょうか。

そう思うことで、辛い気持ちを和らげようとしているのです。

苦悩

主人公の混乱

混濁とコンタクト コンダクターこんな僕を導いて
セルカークばりの粋なシチュエイション
ああでもないこうでもない あんなことこんなこと もう沢山
つべこべ排他的感情論
どうやら一方通行のお友達は膠もなく
随分大胆な夜遊びね
世界一無害で尚且つ傍若無人なゴミにはなれたでしょう

出典: インビジブル/作詞:kemu 作曲:kemu

何を言っても意味がない。そう思いはしても、ショックは隠しきれません。

次第に主人公の思考はぐちゃぐちゃに混乱していきます。

考えはまとまらず、どうすればいいのかもよく分かりません。

ここに登場する人物はロビンソン漂流記の元になった人物です。