あたしあなたに会えて本当に嬉しいのに
当たり前のようにそれら全てが悲しいんだ
今 痛いくらい幸せな思い出が
いつか来るお別れを育てて歩く
出典: アイネクライネ/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
大切な人に会えたのは、確かに奇跡だし、ものすごい確率の偶然でしょう。
そして今、一緒にいるこの上ない幸せ。
でも、こうしている間にも、別れは一歩ずつ近づいていると、先のことにおびえる”あたし”。
確かに出会いは、別れの始まりともいいます。
出会ったことによって、別れがもうその時から見えてくる、そんな悲しいことを幸せをかみしめながらも常に感じている”あたし”の心が切ないですね。
消えない悲しみも綻びもあなたといれば
それでよかったねと笑えるのがどんなに嬉しいか
目の前の全てがぼやけては溶けてゆくような
奇跡であふれて足りないや
あたしの名前を呼んでくれた
出典: アイネクライネ/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
過去にひどく傷ついたことや、癒えない悲しみを抱えていても、それをまるごと包んでくれるような”あなた”。
その辛かったことすらも、”あなた”にこうして会うためだったと思えてしまえるのでしょう。
そんなに大切な人と巡り合えた、その上その人が”あたし”のほうを向いてくれた。”あたし”に気付いてくれた。
そして、名前を呼んでそばにいてくれる。
その奇跡に、涙を浮かべている様子が描かれています。
いよいよ2位と1位の発表!
2位 灰色と青(+菅田将暉)
この曲は2017年のアルバム「BOOTLEG」の最後に収録されています。
米津玄師が熱烈ラブコールを送って実現したという、菅田将暉の参加しているこの曲はその豪華コラボが大きな話題となりました。
人生における青さ=青春時代の思い出や、それを今も持っているのか、失ったのか、またかつての仲間の今に思いを馳せる内容となっています。
君は今もあの頃みたいにいるのだろうか
ひしゃげて曲がったあの自転車で走り回った
馬鹿ばかしい綱渡り 膝に滲んだ血
今はなんだかひどく虚しい
どれだけ背丈が変わろうとも
変わらない何かがありますように
くだらない面影に励まされ
今も歌う今も歌う今も歌う
出典: 灰色と青(+菅田将暉)/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
一緒に転げまわって遊んでいたあの頃。
今の大人になった自分たちのことなど考えもせずに、無邪気に毎日が過ぎていた、と思い返します。
自分は成長して、昔とはもう違う自分のような気がしているけれど、もうだいぶと会っていない君はあの無邪気なままなのだろうかと思いを馳せます。
楽しかったあの頃。何のしがらみもなく、自由でいられたあの頃。
お互いに大人になってしまっただろうけど、でもきっと顔を合わせたら一瞬であの頃に戻れるような。
そんな絆が今も繋がっていればいいと、願います。
1位 LOSER
2016年に発売された5枚目のシングルで、この曲もアルバム「BOOTLEG」に収録されています。
勢いのあるラップ調のクールなイメージの曲で、そのMVのかっこよさからも人気のある曲です。
MVの中では米津玄師が学校の教室や夜の街で踊り続けており、このダンスの振り付けはシルク・ド・ソレイユなどでも活躍する世界的ダンサー、辻本知彦が行いました。
その辻本知彦をもうならせるほどの美しいダンスを披露しています。
歩き回ってやっと着いた ここはどうだ楽園か? 今となっちゃもうわからない
四半世紀の結果出来た 青い顔のスーパースターが お腹すかしては待ってる
アイムアルーザー どうせだったら遠吠えだっていいだろう
もう一回もう一回行こうぜ僕らの声
アイムアルーザー ずっと前から聞こえてた
いつかポケットに隠した声が
出典: LOSER/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
ボカロPから、J-POPとしてミュージックシーンに活動の場を移してきた米津玄師。
人気が出て、やっとここまで来たけれど、これが良かったのか、ほんとに自分が望んでた事なのかはもはやわからないといいます。
ここまでの約四半世紀の自分の人生が、正しかったのか?そんな自問自答が聞こえてくるようです。
スーパースターになったはずなのに、まだお腹を空かして、青い顔をしている。
そう、ここがゴールではないからです。
ここで、満足して止まっていたら、それは負け犬。
遠吠えのような雄叫びを上げて、存在感を示さなくてはなりません。
その声は、いつか飲み込んだ、自分の中でずっとこだましていた声。
今こそ、その存在を示す時が来たのです。
愛されたいならそう言おうぜ 思ってるだけじゃ伝わらないね
永遠の淑女もそっぽ向いて 天国は遠く向こうのほうへ
ここいらでひとつ踊ってみようぜ 夜が明けるまで転がっていこうぜ
聞こえてんなら声出していこうぜ
出典: LOSER/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
いくら不器用でも、想いは口に出して言わなければ伝わりません。
人はみんな自分とは違うのですから、察して欲しいと思っても無理な時も多いでしょう。
伝えたいことは、きちんと口に出さなければ伝わらないのです。
何事も、そうやって動き出さなくては始まらないのです。
そうでないと、何一つ手にすることはできないのです。
そして、何かを受け取ったならきちんと反応する。
そうして初めて、自分の存在を示すことができるのです。
美しい言葉の世界を……
恋愛について歌ったもの、人生や人間関係について歌ったものなど、様々な歌詞内容でしたね。
どの曲も深い歌詞内容で、人によって解釈もいろいろあると思います。
米津玄師の美しい言葉の世界にどっぷり浸かって、酔ってみてはいかがでしょうか。
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