PHANTOM MINDS
2010年1月13日に水樹奈々の21枚目のシングルとしてリリースされたこの曲「PHANTOM MINDS」。
劇場版「魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st」の主題歌を務めました。
他にも、日本テレビ「音楽戦士 MUSIC FIGHTER」2010年1月度POWER PLAYに起用されました。
20代最後のシングルとなったこの曲は、オリコン・週間シングルチャートの1位を獲得しました。
これは、自身にとっても声優界にとっても初の快挙です!
更にこの曲は、アニメの世界観を忠実に取り入れている為、それも人気の一つなのでしょう。
加えて、作品自体が「空」をイメージしているので、爽快感のある楽曲ともなっています。
魔法少女リリカルなのは
2004年に放送された魔法少女系アニメの一つ「魔法少女リリカルなのは」。
テレビアニメは5作品、劇場版は3作品という壮大なスケールを手掛けています。
2018年には、劇場版4作目となる「魔法少女リリカルなのは Detonation」が公開される予定です。
これを含めると合計9作品ですね。
漫画やゲームも発売され、多くのファンを集める大人気アニメです!
簡単なあらすじ
平凡な小学三年生の主人公「高町なのは」が魔法少女になって敵を倒していくこの物語。
シリーズ第一作目と劇場版一作目は同じ物語となっており、そこでは「フェイト・テスタロッサ」という少女と戦うストーリーが描かれています。
このフェイトというキャラクターを務めているのが、主題歌を歌っている水樹奈々本人。
PHANTOM MINDSでは、フェイト目線の歌詞も組み込まれています。
「高町なのは」と「フェイト・テスタロッサ」の関係
二人の関係は、シリーズを通して「大親友」という関係になっています。
第一作目では、敵対していた二人でしたが、それはフェイトの現実によるものでした。
フェイトは母親から虐待を受けており、心を曇らせながら母親の為にどんなことでもしました。
そんな時、フェイトの心を晴らしたのが主人公のなのはだったのです。
その結果、大親友となりました。
歌詞解説
それでは、歌詞の解説に移っていきたいと思います。
PHANTOM MINDSの歌詞は、テレビアニメ一作目のオープニングテーマ「inocent starter」と対となる楽曲となっています。
というのも、inocent starterは「なのは→フェイト」の視点でしたが、PHANTOM MINDSでは「フェイト→なのは」の視点になっているのです!
フェイトから見る、フェイトの曇った心が晴れていく様子にご注目下さい!
暗く閉ざされた心
いつも探してたんだ 本当の笑顔溢れる場所
微かなその温もりに未来を映して動けずにいた
見えない明日に希望を重ねて
不安な夜を繰り返すより
今ここにある小さな幸せを守りたい
出典: PHANTOM MINDS/作詞:水樹奈々 作曲:吉木絵里子 編曲:陶山隼 弦編曲:弦一徹
ここでは、フェイトが暗闇に閉ざされている様子が描かれています。
母親に虐待されていたフェイト。しかし、最初から虐待されていたわけではありません。元々、フェイトの母親は優しい笑顔を浮かべていました。
その時の記憶が残っているフェイトは、何とかその時の雰囲気を取り戻そうと母親の期待に応えようとします。
しかし、その時の光景は一向に現れる気配はありません。
次第に、フェイトの心は閉ざされていきます。
笑顔溢れる場所を探しているという歌詞から、フェイトの辛く苦しい頑張りが伺えます。
一点の光が灯る瞬間
蒼く澄んだ瞳に浮かぶ 名前もない星空に
僕だけが知っている夢の座標-星座-をそっと記す
例え深い闇の中 消えてしまったとしても
君へと続くこの記憶は 決して失くすことないよ
出典: PHANTOM MINDS/作詞:水樹奈々 作曲:吉木絵里子 編曲:陶山隼 弦編曲:弦一徹
ここでは、なのはに会ったことによりフェイトの暗い心に一筋の光が射した様子を描いています。
名前もない星空を意訳すると、「暗闇の空」と考えられます。そこに記される、自分だけが知っている「星座」。
この星座は、なのはの「光」ではないでしょうか。
暗闇の空をフェイトの心を指しているのだとしたら、なのはによってその心に光が灯りました。
そして、それを決して失くさないと決意しています。