夏の夜空に見上げた花火 痛いほど胸に焼き付いた ぶつかり合う人波分けて 二人だけの場所を探したね 通り過ぎてく 風の向こうに 答えがあると信じていた 繋いだ手がほどけないように 強く握り締めてた

出典: 花火/作詞:奥華子 作曲:奥華子

夏の花火大会での思い出が歌詞の中で多く語られているのはなぜでしょうか?

きっと、少年の後悔が一番大きかった日、そして少年の目に映った少女が一番美しかった瞬間だからでしょう。

少女の瞳には色とりどりの花火が咲き、少年の心を打ちました。

夏の夜風は心地よく、2人を包み込んでどこまでも飛んでいけそうな優しい風でした。

何にも縛られず、どこにも壁はなく2人は永遠に一緒だと、そう思っていた…。

見失わないように、強く強く握りしめていた少女の華奢な手の感覚が、少年の手のひらにはまだ残っています。

お互いが、ただ一途に相手を想っていた。

2人で過ごした瞬間全てが愛おしくて、少年の心の中で宝石のように輝いていました。

第4話

少年の声

君が好きだよ 君が好きだよ 届かない声で叫んでいた 夏の夜空に見上げた花火 痛いほど胸に焼き付いた 通り過ぎてく 風の向こうに 答えがあると信じていた

出典: 花火/作詞:奥華子 作曲:奥華子

少年は、今はもう届かない想いを広い海に向かって叫びました。

同じフレーズが繰り返されていることから、少年は目いっぱいの声で必死に、その声が枯れるまで叫んでいたのでしょう。

たった一度のひと夏の恋。

この部分からはこの恋が少年にとってどれだけ大切で、どれほど少年の心を動かしたのかが痛いほど感じ取れます。

少年は自分の胸を握りしめ、ズキズキと痛む心を抱えながら、沈むオレンジ色の夕陽を見送りました。

君がいた夏の日

僕は零れ落ちそうな思いを 強く抱き締めてた 君がいた夏の日

出典: 花火/作詞:奥華子 作曲:奥華子

2人の美しい夏の恋は、少年の胸から溢れだしそうなほど大きなものでした。

もしまたどこかで少女に会える日が来るのならば、今度は決して迷わないように。

少年は少女との思い出を、伝えられなかった想いを、ひとつひとつ大切に胸の奥にしまいました。

「君がいた夏の日」を、決して忘れないように…。

少女の恋

目線の違うMV

この曲の歌詞では「少年」が主人公でしたが、MVでは「少女」の目線で物語が綴られています

少女は街を出た後もずっと、少年を忘れられませんでした。

大人になって都会で働く彼女は、浴衣姿のカップルを見て、あの時の少年と重ね合わせます。

都会のビルの間に上がる花火を眺めながら、少年と過ごした夏を思い出し、彼女は泣きそうになりました。

忘れられない恋、忘れられない人。

きっと2人はいつか再会し、あの時のように寄り添って、幸せになるのでしょう。

筆者はそう願っています…。

最後に

いかがでしたか?

少年と少女の切ない恋に、胸がキュンとしたのではないでしょうか。

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