女の子の不安定な日々を詰め込んだ『ガールズブルー・ハッピーサッド』
誰もが一度は通る青春という明るい日々の裏側で、ひっそりと進むほの暗い時間。
『ガールズブルー・ハッピーサッド』には、青春の表裏を行き来する女の子の12の日常が描かれています。
クリエイター集団「三月のパンタシア」のセンスがキラリと光るタイトルにも注目です。
1. 三月がずっと続けばいい
2. ピンクレモネード
3. 風の声を聴きながら
4. パステルレイン
5. 青春なんていらないわ
6. ソーダアイス
7. ビタースイート
8. ラフスケッチ
9. ルビコン
10. 街路、ライトの灯りだけ
11. コラージュ
12. 東京
出典: ガールズブルー・ハッピーサッド/三月のパンタシア
『ガールズブルー・ハッピーサッド』全12曲を解説!
音楽だけにとどまらない彼らの活動は、幅広い層に支持されています。
イラスト、小説、そして音楽がそれぞれの「表現の限界」を越え、重なり合った場所。
そんなポップカルチャーの頂点に、このアルバムの12曲が位置しているといえるでしょう。
今回は『ガールズブルー・ハッピーサッド』の12の青春をひとつずつ解説していきます。
1. 三月がずっと続けばいい
ユニット名とタイトル『三月がずっと続けばいい』に共通するワードが「三月」です。
三月といえば何かの終わり、そして新しいスタート。寂しさと嬉しさがマーブル模様を描きます。
三月のパンタシアの音楽は、三月という「終わりと始まりが重なる」時期に生まれる感情を音楽にして届けたい、という想いから生まれた
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/三月のパンタシア
三月のパンタシアは、混沌ともいえるこの時期を音楽で表現したいのだとか。
『三月がずっと続けばいい』はアルバムの幕開けに相応しい、ユニットの強い思いがこもった曲だといえるでしょう。
時の流れは残酷なもの
晴れの日 門出の歌もやんだ
振り向いて 最後にいわなくちゃ
「三月がずっと続けばいい」
出典: 三月がずっと続けばいい/作詞:堀江晶太 作曲:堀江晶太
新しい道が眼前に広がるこの日、喜びだけを胸に抱いて大きな一歩を踏み出せる人ばかりではないのです。
その一歩を後ろに引いて、歩んできた道に向かって放った言葉は別れでも、ましてや愛の告白でもありません。
ただただ、叶わない願いを口にするだけ。
出会いと別れ、喜びと悲しみ。どちらにも分類できない曖昧な気持ちを体現しています。
しかし、楽曲自体にはずっしりとした重苦しさは一切なく、疾走感溢れるポップナンバーです。
2. ピンクレモネード
溶けた氷とグラスが立てる透明な音。それに似た繊細なピアノの旋律から始まるのが2曲目『ピンクレモネード』です。
レモネードの中、加速しながら立ち上る炭酸の泡のように気持ちが高ぶっていく様子が描かれています。