心に刻んだ絆
変わらない思い
いつしか僕も歳を取り
手足が動かなくなっても
心はそっと君を抱きしめてる
いつまでも いつまでも
君の頭撫でながら
出典: 君と重ねたモノローグ/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
歌詞は遙か先の未来を語ります。
身体の自由が利かないほど年老いても、友の存在は心の中に深く刻まれているだろう。
そんな確信を主人公は持っています。
長い人生を生きる中で、遙か昔の記憶はどんどん薄れていってしまうもの。
それでも友と共にいた日々は決して消えることはありません。
どれだけ新しい経験に上書きされても、心の中で友情は永遠に輝き続けます。
それほどまでに、友の存在は主人公にとってかけがえのない大切なものなのです。
頭に触れて可愛がるような描写は、映画ののび太と恐竜達の関係を表しているのでしょう。
その動作は友情の証であり、彼らにとって信頼を表すものです。
ずっと変わらない動作を続ける歌詞は、時が経っても友との接し方が変わらないこと。
友情が永遠であることを示しているのです。
心の支え
鏡に映った自分の
嫌なとこばかりが見えるよ
恵まれてる 違う誰かと
比べてはいつも 諦めることだけが上手くなって
出典: 君と重ねたモノローグ/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
一番で自分の可能性を知った主人公ですが、心の根っこはそう簡単には変えられません。
卑屈になってしまう弱い心が表れてしまうこともあるのでしょう。
周りの人が自分よりも優れているように思えて、適わないと思ってしまうのですね。
ですが、友の存在はそんな彼を前向きに変えています。
続く歌詞をみていきましょう。
それでも前を向けたのは
君と重ねたモノローグが
孤独な夜を切り裂きながら この心強くするから
僕に翼は無いけれど
君となら高く飛べるよ
光が射す その大空を 風の詩を聴きながら飛んで行こう
出典: 君と重ねたモノローグ/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
友の存在は自分に自信を持てない主人公の確かな心の支えとなっているのです。
歌詞にあるモノローグ。その意味は物語の登場人物の独白です。
一人だけで言う台詞が重なることは、友と心が深く通じ合っていることを意味しています。
言葉にせずとも二人は固い絆で結ばれているのです。
たとえ隣に居なくても、その絆がある限りひとりぼっちではありません。
心が折れて挫けそうになっても友の存在がある限り、負けることはないのです。
自分にはできないことでも、奮い立たせてくれる友がいることでやり遂げられる。
二人なら不可能はない。だから強く、前向きでいられるのです。
永遠の友情
また会おう この道のどこかで
ありがとう この気持ち届くかな
果てしなく続くこの時間の中で
ほんの一瞬 たった一瞬
すれ違っただけだとしても
君は僕の永遠
出典: 君と重ねたモノローグ/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
最後のサビは冒頭のサビを繰り返すことによって、友を思う主人公の気持ちをより強く印象づけます。
二人が一緒にいられた時間はとても短いものでした。
それでもこの出会いはこれからの人生を大きく変えるほどの、かけがえのないものになったのです。
歌の最後に永遠という言葉が告げられます。
長い人生、これからは別々の道を歩んでいくのでしょう。
その道はもしかすると、もう二度と交わることがないかもしれません。
ですが、ここで二人が結んだ絆は何があっても変わることはないのです。
いつまでも心の中に暖かな炎のように灯り続けて、それぞれの道を照らし続けてくれることでしょう。
かけがえのない友情
翼の意味
比翼の鳥という言葉があります。
その意味はそれぞれ一つの羽を持つ鳥が、二羽で一体となって空へ羽ばたくことです。
本来ならば仲の良い夫婦にたとえられる言葉ですが、彼らの友情を表すにふさわしく感じられます。
自分に自信が持てず、ネガティブになりがちだった主人公は友との出会いによって大きく成長を遂げました。
目の前の道がどれだけ困難なものであっても、諦めずに進んでいく強い心を手に入れたのです。
信じて隣にいてくれる友の存在があったからこそ得られた強さ。
自分自身の可能性を信じてどこまでも挑戦するための勇気。
それこそが歌詞に表される翼なのです。
その翼があれば、どんなに高いところにある目標にも向かっていけます。
一人では飛ぶことができなかった主人公。
友という存在を得たことによって、はじめて自分が飛べることを知るのです。