大人なアルバムから選ばれました
「眠れぬ夜」(ねむれぬよる)は、小田和正作詞・作曲による、オフコースの曲。1975年12月20日に通算7枚目のシングル、およびアルバム『ワインの匂い』の収録曲として発表された。後に西城秀樹によるカヴァーが1980年12月16日に通算36枚目のシングルとして発売され、27.1万枚を売り上げた。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/眠れぬ夜#西城秀樹のカヴァー・シングル
グラスに注がれたアルコールの香りを堪能できるのは20歳以上ですね。
お洒落だけど忘れられないタイトルそして歌詞を作る小田和正さん。
今でもその音楽センスに変わりはありません。
熱く押し切るのではなく、一歩引いた愛が目に留まったのでしょうか。
リリースをした当時20代半ばだった西城秀樹さん。
お待たせしました。この後は歌詞の解説にうつります。
僕が今思っていること
君のことを…
たとえ君が目の前に ひざまずいてすべてを
忘れてほしいと 涙ながしても
出典: 眠れぬ夜/作詞:小田和正 作曲:小田和正
西城秀樹さんなら、かすかなハスキーが挟み込まれる声。
楽曲を作った小田和正さんなら、ひたすら澄んでいる声でしょう。
そのどちらにも心を鷲づかみにされる歌い出しです。
僕は独りで君のことを思っていることが綴られています。
決して楽しいことを思い出しているのではないようですね。
歌詞を簡単に要約するとこのようなことを歌っているのでしょう。
「打ちひしがれた君が、しゃがみ込んで泣きながら謝っても…」
僕の前でこんなに必死で謝罪をしても僕にはどうにもできないことがあるようです。
歌はミディアムテンポですが、畳み込むように思いを言葉にして並べていきます。
耐えられない悲しみ
僕は君のところへ 二度とは帰らない
あれが愛の日々なら もういらない
出典: 眠れぬ夜/作詞:小田和正 作曲:小田和正
君を許すことができないのです。
今日も僕と君は一緒に過ごす約束をしていたのでしょう。
本当なら君のところへ行くはずだった僕。
でも君の裏切りを受け入れることができなくて、出かけるのは止めたのです。
内容は特に書かれていませんがこういった時は「他に好きな人ができた」というケースがほとんど。
君の心変わりを僕は知ってしまったのでしょう。
君のところへ行かないではなく「帰る」ことを否定した表現は、ここでの決意の固さもうかがえます。
そして思い出しているのは君との「愛」。
それはとても幸せな時間だったのでしょう。今起きていることが信じられないくらいときめいていた。
あの時の幸福と今の悲しみの落差に耐えられないのでしょう。
だから2人で過ごした「日々」を思い出したくない。
思い出なんかにしたくない僕は、2人の愛を「いらない」とまで言ってしまうのです。
すべてを投げ出す…
裏腹な愛に
愛に縛られて うごけなくなる
なにげない言葉は 傷つけてゆく
出典: 眠れぬ夜/作詞:小田和正 作曲:小田和正
好きな人を思って好きな人のために多くの時間を使う。傍から見れば微笑ましいような場面ですね。
お互いが通じ合っていればとても幸せな時間になるでしょう。
相手に心を「縛られる」感覚さえも恋の喜びの1つになる。
懸命に恋をしている自分さえも愛おしいのです。
でも一方通行の与えるだけの愛になっていることに気がついたら、そこで心は動きを止めるでしょう。
素直に「好き」と伝えた言葉が結果トゲとなって、残ってしまう。
愛はうれしさと哀しさの表裏一体。だから「傷」の原因ともなってしまいます。
音の抑揚の少ない淡々と歌われるフレーズです。
歌詞の中には「愛」についての深い考察が詰め込まれていますね。
愛の裏側にあるあまり経験したくない部分を描く歌詞。
この後僕はどんな思いに囚われていくのでしょうか。