何気無い言葉に 何度も何度も傷付いて
でもその度に僕は強くなって行った

出典: NO WAY MAN/作詞:秋元康 作曲:前迫潤哉 Yasutaka.Ishio

「想像ができないからやめておけ」という曖昧な理由で引き止める人はいないはずです。

反対するための理由をわざわざかき集めて、彼に投げつけます。

「お前は実力が足りない」「誰も成功していないからお前は無理だ」「甘く見すぎだ」

それらは彼自身を否定する言葉です。奮い立った彼の感情を踏みにじるような言葉です。

そうした言葉に傷ついて諦めてしまう人も、きっといるのでしょう。

しかし彼は諦めませんでした。

次は傷がつかないように心を強くし、それでも傷がつけば更に心を強くしていったのです。

他人事だから 簡単に決めつける
Why? Oh why?
届かないくらいに そんなに高い場所なのか
誰もが諦める夢

出典: NO WAY MAN/作詞:秋元康 作曲:前迫潤哉 Yasutaka.Ishio

イメージできないから「無理」だと決めつける。

そんな無責任な周囲の行為を、彼は理解できません。

今立っている場所から夢までどれほど遠いのか、誰にも分からないはずです。

叶えるのが難しいという漠然としたイメージがあっても、実際はどうか分かりません。

今まで沢山の人が志半ばで諦めていた夢だって、あと一歩で届く高さなのかもしれません。

それを他人が「できない」と決めつけてしまってもいいのでしょうか。

「NO WAY」の二つの意味

NO WAY MAN (HEY!) NO WAY MAN (HEY!)
まさかなんて
NO WAY MAN (FU!) NO WAY MAN (FU!)
よくあるだろう?
NO WAY MAN (HEY!) NO WAY MAN (HEY!)
HEY! HEY! HEY! HEY! HEY!
有り得ないことで片付けたくない

出典: NO WAY MAN/作詞:秋元康 作曲:前迫潤哉 Yasutaka.Ishio

「NO WAY」は「そんなはずない」と反論するときに使われますが、実はスラングとして別の場面でも用いられます。

それは、予想外の成功を褒めるときです。「まさかそんなことができるなんてすごい!」というニュアンスです。

「まさかできるわけがない」と思っていたものが「まさかできるなんてすごい」に変わる。

普段の生活でよくあることではないでしょうか。

とても小さく例えるのなら、運動が苦手でいくら頑張っても逆上がりができない子ども。

笑われても努力をして、もしくはコツをつかんで逆上がりができるようになることはよくあります。

彼の夢も、諦めなければいつか叶うかもしれません。

もし夢が叶わなかったとしても「初めから可能性はゼロだったから仕方ない」という言い訳はしたくないのでしょう。

何を信じればいいんだ? 深い暗闇の中
もう根拠なんて要らない 思い込みで構わない
何かに縋って 縋って Alright! Baby! Baby!

出典: NO WAY MAN/作詞:秋元康 作曲:前迫潤哉 Yasutaka.Ishio

誰もが「叶わない」と決めつけるような夢ですから、険しい道を通って行くことになるのでしょう。

周囲は口々に彼の夢を否定して、彼が進む道には希望なんて何も見えません。

夢が叶う十分な根拠や理由があれば、周囲を黙らせることができますが、それもありません。

道標もなにもない暗闇を、夢に向かって手探りで進んでいきます。

「何か」とは、「夢は叶う!」と信じる心ではないでしょうか。

他人の言葉より、自分の心を信じて進んでいくのだと固く決意します。

間違いだって気にしない ひたすら進むんだ
いいとか悪いとかまとめて やってみなきゃわからない
死んでも良いよ 良いよ Don’t cry!
Oh… Baby! Oh… Baby!

NO NO WAY MAN Oh oh oh oh NO WAY MAN

出典: NO WAY MAN/作詞:秋元康 作曲:前迫潤哉 Yasutaka.Ishio

道標のない暗闇の道ですから、踏んではいけないものを踏んでしまったり、道を間違えている可能性もあります。

しかし、真っ暗な道の途中にいる今、それらの「正誤」は判断できないはずです。

たとえ今道を間違えても、次の曲がり角で正しい道に戻るかもしれません。

とにかく思うまま進んでいく以外に、夢を叶える方法はないのです。

もしも道の途中で命を落とすことがあっても構わない、「死んでも良いよ」と歌っています。

自分の運命は自分で切り開くものであり、絶対に後悔をしないという意味でしょう。

確率論は確かではない

夢が叶う確率は?明日の降水確率は?

「確率」はどこまで正確なのでしょうか。

変えるのは自分

人生は自分で変えなきゃ そのまま続く
I think so Oh I think so
何もやらなきゃ 流されてくだけ
その他大勢の群れ 沈んで溺れる

出典: NO WAY MAN/作詞:秋元康 作曲:前迫潤哉 Yasutaka.Ishio

何も考えず平坦な人生を過ごしていくのも、一つの選択肢です。

今日と同じような明日が来て、いつもと同じことをして一日を終える。それでいいと考える人もいるでしょう。

何もしなければ人生は変わりません。

変化のない人生を続けていけば、同じような人々と当たり障りのない関係を築くことになります。

ふと気づいたときにはその群れの中にいて、もう二度と「変化に富んだ人生」に戻れないかもしれません。

「変わりたい」と思ったときがチャンスだということでしょう。

「I think so」=「僕はそう思っている」、つまり人生を変えるのは自分だという考えが彼の根底にあるようです。

運命はいつだって下書きでしかないんだ
You think so Oh you think so
可能性なんて 言い訳の予防線だろう?
ゼロでも 奇跡はあるさ

出典: NO WAY MAN/作詞:秋元康 作曲:前迫潤哉 Yasutaka.Ishio

「運命は変えられない」という言葉をよく耳にしますが、彼は違う考えを持っています。

運命というものの存在は認めていますが、それは人生というフォルダの中に保存されていません。

まだ下書きの状態であり、これから自由に変えられるのだと言っています。

「You think so」=「君もそう思うだろ」と同意を求めました。

夢を叶えたい人に向けて、今までどれだけの人がチャレンジ・失敗しているのか、確率論を持ち出す人もいるでしょう。

しかし彼は、そんなものに興味はありません。

「統計上うまくいく可能性はゼロに近かった、だからうまくいかなかった」

「可能性」は自分の失敗を誰かの・何かのせいにするためのもので、何の役にも立たない数字です。

ですから、可能性がゼロだといわれても「ゼロ」とは限りませんし、確率論を覆せるのは自分だけなのです。