1行目のようなセリフはよくドラマや小説に出てきます。
しかし、これを現実の世界で言った時はどうでしょうか?
「ありがとう」と喜ぶ人もいるでしょう。
しかし、中には「愛が重すぎる」と感じる人もいます。
さらには、「じゃあ今死んでみて?」と愛を試す人も出てくるでしょう。
現実の世界はそう甘くはないのです。
主人公はそう知っていながらも、ドラマのような恋に憧れてしまいます。
実際に、愛する人のために死ぬ必要はありません。
愛する人を助けるためには死ぬ必要があるなら、話は別ですが…。
ドラマではよく愛する人のために死んでいくシーンがあります。
現実では、それと同じことはしない方が幸せでしょう。
片思い
寂びた恋なら早くそう言って
僕はなんだかダメだよ
奇跡なんか信じちゃいないけど
すれ違う時 電気が走るような
君に会いたい
出典: 妄想隊員A/作詞:Tatsuya Mitsumura 作曲:Tatsuya Mitsumura
この恋は、叶うことはないのです。
しかし、主人公の妄想はどこまでも広がっていきます。
彼女もまた、思わせぶりなことを言っているのでしょう。
主人公は気づいています。
この愛が通ずることはないと。
気づいていながらも、彼女の言葉を信じてしまうのです。
すれ違っただけで、ドキドキしてしまうほど好きなのに恋人にはなれません。
でも、自分たちがすれ違うのもきっと奇跡なのです。
偶然ではなく、すれ違う運命だったのでしょう。
たった一瞬すれ違うだけで運命を感じてしまう主人公。
少し、彼女への執着心も垣間見えます。
計算だらけの女の罠
全ては計画
背伸びしたり わざと転けたり ドタキャンして
きっと恋なんて計算された運命
僕の仕草に君がそっとマイナスをかけてたな
それは破滅へ続く近道 悪いのは女神様のせいなの
出典: 妄想隊員A/作詞:Tatsuya Mitsumura 作曲:Tatsuya Mitsumura
きっとこの彼女は計算高くて魔性の女というよりは、もはや魔女。
それくらい恐ろしい女だったのです。
主人公がすることなすこと、全てが悪い方向に行くようになります。
それはきっと彼女の魔法。
彼女は主人公に想いなどありません。
そんな男のいいところを見ても全くときめかないのです。
だから、彼のするプラスなことには「マイナス」をかけてしまうのでしょう。
そして彼女自身は、わざと転けたりして天然キャラを装っているのでしょうか。
男性は好きな子がわざと転けても「おっちょこちょいだな」くらいしか思いません。
むしろ、たまに転けるのが可愛いのです。
さすが、恋は盲目という言葉がぴったりすぎるくらいぴったりです。
それは喜劇か悲劇か
誰が描いた喜劇なんだろう
君が近づくちょっと前に気づいたよ
愛の魔法の副作用だと
出典: 妄想隊員A/作詞:Tatsuya Mitsumura 作曲:Tatsuya Mitsumura
「魔法の副作用」とは一体何なのでしょうか?
人に恋をすると、「会いたい」と思います。
「好きだな」「会いたいな」「会えないな」なんてそればかり。
1日中、好きな子のことを考えてしまうのです。
これこそがもう副作用でしょう。
人を愛するがゆえに、洗脳されてしまうのです。
まるで「私のこと以外考えないで」と言われているかのように。
恋という感情は摩訶不思議なものです。
人はなぜ恋をするのでしょう。
なぜ、人に対して「好き」という感情を抱くのでしょうか。
「恋」について考え出したら、キリがありません。
これこそまさに、恋の呪縛とでもいいましょうか。
主人公の心の中はもう彼女のことでいっぱいです。
この先彼女と一緒に居られる保証もありません。
それでも、彼女と一緒に居たい。
その思いは、間違いなく愛の魔法にかかってしまっているでしょう。
恋をするとバカになる
寄り添える存在
君のためなら死ねると言った
僕がやっぱりバカだよ
心なしか闇に寄り添い 愛の果てで気づく妄想隊員A
曖昧模糊とした眼にそっと
口付けてくれ Oh my darling
出典: 妄想隊員A/作詞:Tatsuya Mitsumura 作曲:Tatsuya Mitsumura
好きな人のためなら死ねるという主人公の概念。
この自分の持つ概念がバカだったことにようやく気付きました。
普通の人なら、主人公を見て「何と愚かな」と思うでしょう。
しかし主人公は決して後悔はしていないのです。
彼女が何かの闇を抱えているのでしょう。
その闇に少しだけれど、寄り添ったことで勘違いをしていました。
主人公は「恋人」だと錯覚していたのでしょう。
しかし、彼女にとっては主人公はただの「都合のいい人」でした。
それに気づいてしまった主人公は、気づいてしまったのです。
これが、彼女の罠だったのだと。