名称だって未設定の もう不明なログデータ
未だボク達は 水たまりの向こう
愛情だっけ 無情だっけ 何度解凍解凍したって知り得ない
何かが溢(あふ)れ出しそうだ
もう放っておいて ねぇ
出典: 解読不能/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
サビの歌詞です。
サビの歌詞は、一見普通に読み解くと科学技術者の「創造」にかんする葛藤、だと思います。
しかし見方を変えれば、非常にユーモアのある歌詞になります。
「ログデータ」とは、その端末(ここではロボット)に発生したエラーデータのことです。
「名称」と「未設定」、この2つの語句を音読するとリズム感があります。
そして「愛情」か「無情」か分からなくなってしまった主人公は、まるで「ファウスト博士」や「マッドサイエンティスト」のようですね!!
研究のし過ぎで精神的に行き詰ったような主人公の独白ですが、ただ単に悲痛なだけではなく、言葉遊びや文脈を類推して考えると得られる滑稽感が、この歌詞にはあると思います。
2人の歌唱にも注目!!
サビでは、「そらる」さんと「まふまふ」さんの歌唱にも注目です。
最後の「ねぇ」は、一般的な成人男性では出せない、高いキーですね。
しかも裏声ではなく、地声で出しているところがスゴいですね!!
高いキーのボーカリストと言えば筆者は、「レッド・ツェッペリン」の「ロバート・プラント」や「ジェフ・バックリー」を思い起こします。
日本では、「X JAPAN」の「TOSHI」さんが、高いキーを出せるボーカリストとして有名ですね!!
だんだんと明らかになる「葛藤」
2番Aメロ
どうして届きもしないのに声を出せてしまうのだろう
名付けられすぎた陰口やあだ名で
本当の名前すらも名乗れなくなっていた
出典: 解読不能/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
2番Aメロの歌詞です。
ここからは2人の悩みや葛藤がだんだんとハッキリしてきますね。
「名付けられすぎた陰口やあだ名」とは、2人の途方もない計画や実験に対する、他の技術者からの非難のことでしょう。
自分たちが創ってきた作品(ロボット)に、手放しの愛情で接する様子が「届きもしないのに声を出せてしまうのだろう」という歌詞から読み取れます。
2番Bメロ
教えて貴方は誰なの?
ねぇ 沈黙の回答は姿見の向こう
出典: 解読不能/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
2番Bメロの歌詞です。
「姿見」とは「全身鏡」のことです。
ここの歌詞は少し解釈が難しいです。
なぜなら2つの解釈があるからです。
ひとつは「姿見」に映った主人公(ロボット開発者)が、己の姿を見つめ直す、という解釈です。
もうひとつは「姿見」に映ったロボットに対する、主人公の心情、という解釈です。
筆者は、「主人公が自分を見つめ直す」という意味だと思います。
鏡は、自分自身の姿を映し出すだけではなく、自分自身の心をも映し出す、ということなのでしょう。
この曲は、リスナーがただ曲を聴くのではなく、積極的に考えさせるような言葉を使用しているところが凄いですね!!
やっぱりユーモアがあるサビ!!
2番サビ
何回やったって動作不安定な イエスマンエミュレータ
誰も愛なんて教えてくれやしない
分解したってデバッグしたって 塵一つも見つけれない
確かな見えないものが 脈を打ってる
出典: 解読不能/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ