2番目のサビです。
「イエスマン」とは「自分の意見を言わず、体制に対して準ずる人」のことです。
「エミュレータ」とは、「装置の回路そのものを模倣する機器」・「装置をシミュレーションする機器」のことです。
「デバッグ」とは「コンピュータのエラーを見つけ、修正すること」です。
こういった単語が頻繁に出てくることから、実際主張している内容より、多少滑稽なイメージをリスナーに与えますね。
また、「イエスマンエミュレータ」など、皮肉な言葉もじゅうぶんあります。
ただ、その「ユーモアさ」も「滑稽さ」も、主人公が苦悶し、葛藤しているという大前提があればこそ、です。
ここで描かれているのは、いわゆる「産みの苦しみ」・「創造することの苦しみ」とでもいえば良いでしょうか?
「産みの苦しみ」そのものを表現した映画といえば??
余談ですが「産みの苦しみ」そのものを表現した映画と言えば、上記に引用したフェデリコ・フェリーニ監督の『81/2』です。
この映画は、映画監督が「創造できない」ことの苦しみや可笑しさをテーマにしています。
筆者おススメの映画ですので、興味を持った方はぜひご覧になってください!!
『解読不能』の「解読」にもなり得る、同じテーマを持った作品です。
途上の感情
Cメロ~大サビ
結局答えなんてなかったようでした...
成り立ちもしない 問いかけは 解読できない...
もういいよ ねぇ もういいよ
どうせいつかバグってしまう 感情のデータ
未だボク達は水たまりの向こう...
愛情だっけ 無情だっけ 何度解凍したって知り得ない
何かが溢れ出しそうだ 解読不能が頬を伝うの...
放っておいて ねぇ...?
出典: 解読不能/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
Cメロと大サビの歌詞です。
ここで重要なのは、『アトム ザ・ビギニング』の物語性です。
『アトム ザ・ビギニング』のテーマは、挫折の物語ではありません。
そうなると『解読不能』のテーマも、挫折の物語ではありません。
苦悶し、葛藤し、その果てにある希望が、物語のテーマです。
希望とはいうまでもなく「アトム」を創造することです。
それをふまえてこの歌詞を読むと、そのテーマに即している文があります。
「未だボク達は水たまりの向こう」という歌詞の「未だ」という文がそれです。
「解読不能」というのは「現在進行形」であって、決して「結果」ではありません。
「感情のデータ」が「バグってしま」っても、それは希望へと至る途上の状態なんです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はアニメ『アトム ザ・ビギニング』オープニング曲である、『解読不能』の歌詞を検証しました。
『解読不能』の歌詞は、「アトム」という前代未聞のロボットを創造する、主人公の葛藤が主に語られています。
ただそれが、単なる葛藤や絶望の物語ではなく、あくまでも「ロボットを創造する」過程での心情だということです。
サビでは、ロボット開発に奮闘する様子が、ユーモアさや滑稽さを交えて描かれています。
アニメ『アトム ザ・ビギニング』の原作は現在連載中です!!
興味を持たれた方は、今から見ても遅くありません!!
ぜひ、皆さんも主人公とともに「アトム」を創造してみてはいかがでしょうか??
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