"未来”が変わってたのかな
もっと私単純バカで素直なら
掴んでたはずなの!
出典: 初恋の絵本 feat.GUMI/作詞:Gom,shito 作曲:Gom,shito
未来という言葉がダブルクォーテーションで囲まれているのが大きなポイントになります。
なぜ強調しなければならなかったのでしょうか?
理由は、これは単なる「もしも」の想像ではないからです。
ここで主人公が考える「未来」とは、つまり現在のこと。
自分の現状と回想を比べているのです。
「もしもあの時、実際と違う行動をしていたら……」
そんな、別の可能性に思いを馳せています。
あとになって悔やむくらい、「君」のことが好きだったのでしょう。
それなのに当時の主人公には、ほんの少しの勇気を出すことができませんでした。
主人公はすでにその原因にも気づいています。
それが、上に引用した2行目以降に書かれている内容です。
恋は人を大胆にも、臆病にもしてしまうもの。
主人公は直前で怖くなったのかもしれません。
思いを告げれば、返事を聞く必要が生じます。
もし振られてしまったら……。
すべて自分の片想いだったらどうしよう。
臆病な考えはいくらでも湧いてきてしまいます。
それを無視することができれば、告白するのは簡単です。
あるいは気づいても、「でも、彼もきっと私のことを好き」と楽観できていたら良かった。
後悔はつきません。
気持ちは決まってるのに
好きなの!
好きでしょ?
ポジティブ系の意気地なし
出典: 初恋の絵本 feat.GUMI/作詞:Gom,shito 作曲:Gom,shito
ここで、主人公は自問自答しています。
答えはすぐに出てきました。
やはり、「君」のことが好きだったのです。
さらにここでは、上の自問自答に対して2つの見方が可能です。
1つは、これは過去の自問自答であるということ。
2つ目は、現在も「君」のことが好きなままだということです。
直前の歌詞までは過去形で進行していたので、回想であることがすぐに分かりました。
しかしここでは、現在形にもとれる文体が使われています。
思いを伝えられないまま、まだ「君」のことが好きなのかもしれません。
秘密の初恋
今も思い出すの
このページも あの時のページも
私の初恋でした
出典: 初恋の絵本 feat.GUMI/作詞:Gom,shito 作曲:Gom,shito
主人公はアルバムのページをめくります。
目に飛び込んでくる写真にはいつも「君」が写っているのかもしれません。
「君」に恋をしたことが、主人公にとっての最大の思い出だったのでしょうか。
恋の記憶につられるように、学生時代を鮮やかに回想しています。
なぜ秘密にしなければいけないの?
秘密にする理由
秘密だよ
出典: 初恋の絵本 feat.GUMI/作詞:Gom,shito 作曲:Gom,shito
ここで、印象的なフレーズが登場します。
なぜ、秘密にしておかなければならないのでしょうか?
たった一言ですが、深い意味を考察することができます。
理由1 今は別の人と交際しているから
理由として考えられることの1つ目です。
それは、今は別の恋人・あるいは夫がいるから。
世の中には、今の恋人と元カレ・元カノを比べる人もいます。
主人公は、そういうタイプではないです。
今は他に大切な人がいるからこそ、その人には「君」のことを伝えないでおく。
優しい配慮をしているのでしょう。