涙で目が覚めた月曜日の朝
急いで支度をした

出典: https://ilyricsbuzz.com/2017/07/utada-hikaru-ozora-de-dakishimete.html

前半の明るい曲調から後半は徐々に哀切な願いの歌へと変化していきます。

涙で目がさめるとはいったいどういう状況でしょうか? もちろん月曜日は働いている多くの人が憂鬱になる日でしょう。 でもここでは前段を受けて、実際には楽しい日曜日を過ごすことができなかったことが示唆されているのではないかと思います。

僕はまだあの頃のまま
青空で待ち惚け
夏の花が散る頃には
笑顔で僕を迎えに来て

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前の段までは主語が女性的だったと思われるのですが、 ここで急に僕になります。 これがとても不思議ですね。

純なあなたが誤解するから
おしゃべりな私を黙らせて
傷ついたのはお互い様だから
四の五の言わずに抱き寄せて

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この部分で主語がまた女性に戻ります。 シンプルに抱きしめて欲しいという歌になるのです。 わたしと僕。この歌は日曜日に会うことのできないふたりの歌なのでしょうか。

いつの日かまた会えたとしたら
もう一度私を困らせて
もし夢の中でしか会えないなら
朝まで私を抱きしめて

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僕と私は二度と会うことができないか、あるいはまた会うことができるのか。 そういう離れていて、なかなか会うことができない関係にあることは間違いないでしょう。 この段のもし夢の中でしか会えないならという部分の表現で、もしという表現があることから 僕という人間が死んでしまっているなど絶対にもう会えない関係ではないことがわかります。 そしてだからこそ、もう一度会えるならと願っているのです。

映像ではみることができませんが、この曲の後半ではオーケストラが哀切な調べを奏でています。 前半の曲調とは後半は明らかに違うのです。

そう考えた時に、この歌は別れた恋人のことを思う歌だということが 断定的ではないにせよ、浮かび上がってくるのではないかと思います。 別れてしまった恋人と、いつかまたあいたい。 そういう叶えられないかもしれない願いが響いています。

宇多田ヒカルの創作スタンス

宇多田ヒカルはクライアントの依頼に答えながら、自分自身の表現も同時に行う姿勢を持っているアーティストだと聞いたことがあります。 自分の思いを表現しながら、タイアップとしての役割もしっかりある歌。そこに本物のアーティストの精神がみえるような気がします。

「大空で抱きしめて」は明るいポップな側面もありながら、後半部分にアーティストとしての宇多田の表現があらわれています。

宇多田ヒカルの移籍後最新曲が発表!

宇多田ヒカル最新曲「あなた」

宇多田ヒカルの最新曲映画DESTINY 鎌倉ものがたり」の主題歌であり、ソニーのワイヤレスヘッドフォンのCMソングでもあります。

そういったタイアップソングでもありつつ、宇多田の詞の世界はより日本的な心を表現しはじめているのかもしれません。

タイトルは「あなた」。とてもシンプルです。

相手を美しく想う。想いがよりシンプルに響いていると思います。 曲は海外でも通用するようなグローバルなものになりながら、詞の世界では日本的な美しい心がこめられているのでしょう。 ぜひこの新しい歌も聴いてみてください。

最後に

宇多田ヒカルはレーベルを移籍して新しい境地で曲を作っているのだと思います。移籍後第2弾シングル「Forevermore」ではより曲調は複雑で面白いものになりながら、歌詞はさらにシンプルに相手を思う歌になっています。 12月8日に配信開始となる新曲「あなた」では、さらに美しく歌が響きます。

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