自分の立ち位置

誰かを笑う人の後ろから僕は何を想う?
それをまた笑う人と終わらせる人
悲しくて泣く人の後ろから僕は何を想う?
それをまた笑う人と終わらせる人

出典: エンドレス/作詞:山口一郎 作曲:山口一郎

ついにこの連鎖に終止符を打つ存在が現れます。

一体何者なのでしょうか。

自分自身を強く持ち、数多の感情を持つ人々を屈服させてしまえる...

まさに謎の存在です。

肝心の「僕」はただ思案しているだけでした。

しかし筆者はそれでいいと考えます。

それは自分自身について深く考えるということです。

いずれ答えにたどり着くことができれば、「僕」も前述の謎の存在に近づくことができるでしょう。

しかしただ思案するだけでは、答えにたどり着くことができません。

聴こえてくる連鎖の「声」にも打ち勝つ必要があります。

必要なのものは一体なんでしょう。

筆者はこの場合はありがちな「勇気」で十分足りると思います。

ただ「声」に立ち向かう勇気ではありません。

「自分の考えをはっきり主張する勇気」です。

この勇気さえあれば「夜」に色をつけることなく、「声」にも立ち向かうことができるはず。

現代日本人には少数派なその「勇気」。

それを持つ「終わらせる人」とは本当に何者なのでしょうか。

今度は...

どう聴こえる?

AH 耳を塞いでる僕がいる それなのになぜか声がする
見えない夜に色をつける デジャヴしてるな

出典: エンドレス/作詞:山口一郎 作曲:山口一郎

1番のサビと同じ歌詞ですが「終わらせる人」と出会ったことで解釈が少し違います。

「僕」は「勇気」を手に入れるために自ら「声」と対峙しているようです。

なんとか自分を保とうとしますが、やはり2行目にあるような行動を取ってしまいます。

まだ何かが足りないようです。

まだそこにいるのか

不甲斐なく敗走する「僕」。

また逃げることになってしまいました。

それだけ「声」は大きく、怖い存在なのでしょう。

何も考えずにいればあっという間に飲み込まれてしまいそうです。

なんとか飲み込まれないように逃げ続ける「僕」。

悔し紛れに「見えない〜」とあるように自分の「声」をあげるのです。

何かここに「僕」の成長を感じます。

果たして「僕」は「声」に打ち勝つことができるのでしょうか。

歌は大サビに繋がります。

自分とは

改めて考える

【エンドレス/サカナクション】歌詞を考察!耳を塞いでも声がする?山口一郎の描くエンドレスな世界に迫るの画像

後ろから僕は何て言おう? 後ろから僕は何て言われよう?
見えない世界に色をつける声は誰だ

出典: エンドレス/作詞:山口一郎 作曲:山口一郎

考え、考え、考えた「僕」。

連鎖の中で、自分がどう発言するか感情をあらわにするのか。

「僕」はその感覚を掴んだのです。

ここで自分の「声」を大きく、正体不明の「声」に問いかけます。

正面切って啖呵を切っているのです。

筆者は「僕」は何か吹っ切れたような感じました。

ついに「僕」は自分が何を言いたかったのか気づき、声に出します。

自分は1人の発信者だ

【エンドレス/サカナクション】歌詞を考察!耳を塞いでも声がする?山口一郎の描くエンドレスな世界に迫るの画像

AH この指で僕は僕を差す その度にきっと足がすくむ
見えない世界に色をつける声は僕だ

出典: エンドレス/作詞:山口一郎 作曲:山口一郎

なんとここで「僕」は自分に自分の「声」をぶつけます。

そうです、正体不明の「声」とは「僕自身」の声だったのです。

ただ自分の「声」を大きく発信するのが怖かった「僕」。

そこで自分じゃない「何か」に言わせているようにごまかして知らないふりを決め込む。

「僕」は「僕」に嘘をついていたのです。

そしてここでそれに気づいた「僕」。

「この指で〜」とあるように糾弾しつつ...

歌詞2行目にある通り、「見えない〜」と自分自身に対して高らかに宣言するのです。

こうして歌はすっきりとした雰囲気で余韻を残さずに終わります。