「獣の奏者エリン」では、王獣リランという飛べる獅子のような生き物が主人公エリンに看病され、エリンへの忠誠を誓うという壮大な物語の中のキーストーリーがあります。 

君を取り戻す
そればかり考えていた
時の濁流に
押し流されてしまわぬよう

出典: 雫/作詞:スキマスイッチ 作曲:スキマスイッチ

「君」とエリンを呼び、リラン(僕)が傷ついた姿で歌っている曲だと解釈すると「獣の奏者エリン」の物語とリンクした歌詞に読み取れます。  

リランとエリンは大きな渦へと巻きこまれていくのですが、素直で優しいエリンと過酷な運命を思えばこそグッとくる主題歌として愛される一曲です。 

考察③ ソロ活動からスキマスイッチとして再始動する2人の復活ソング

スキマスイッチ「雫」がアニメ【獣の奏者エリン】に!歌詞・動画再生はこちらから~!の画像

スキマスイッチは2007年「奏」の大ヒット後、一度ソロ活動を行ったのち再び「雫」を収録した「虹のレシピ」でスキマスイッチとしての活動を再開しています。 

「雫」はソロ活動のさなかに製作された一曲と言われており、彼らが再びスキマスイッチとして活動していくことを決断するまでの深い部分の本音が込められた作品だと考えられます。 

たまらず閉じた瞼を 開けるとそこに君がいた

出典: 雫/作詞:スキマスイッチ 作曲:スキマスイッチ

スキマスイッチの2人は才能に溢れていますが、それぞれソロ活動を経て見えた世界もあるのでしょう。 

洗い立ての太陽が 僕らを優しく照らしている

出典: 雫/作詞:スキマスイッチ 作曲:スキマスイッチ

2人でしかできない音楽を再び作ろうという強い思いが、最後の歌詞に込められているのかもしれません。

「僕」に焦点を置いての検証

「雫」の歌詞は常に僕の目線で語られます。

喪失感を抱く「僕」が一体どこにいて何を感じているのかを考えると、さらに深い考察ができそうですね。

時間や場所、「僕」が見ている情景を感じながら考えていきましょう。

考察①「僕」がいる時間は夜

月が丘を行く 夜光虫を引き連れて
手付かずの一日が何も言わずに終わっていく

出典: 雫/作詞:スキマスイッチ 作曲:スキマスイッチ

月や夜光虫という言葉が示すように、「雫」の歌詞は夜の情景から始まります。

夜光虫とは夜になると海の中で光を放つプランクトンのことです。

ネットで検索をするといくつも写真を見ることができます。

暗い海に青い光が広がっている光景が非常に幻想的です。

さて、今「僕」は月が丘を移動する様子を見ています。見下ろした海には夜光虫の光があるようですね。

月の移動を感じているということは、「僕」は長時間その場所で景色を眺めているのでしょうか。

同じ場所にじっと留まっている様子がうかがえます。

「手付かずの~」とあるように、一日何もできないまま終わってしまうようですね。

今「僕」は何もやる気が起きないのでしょうか。

虚無感を心に抱えている「僕」の様子が想像できます。

考察②君がいない喪失感

僕が居なくても地球は回り続ける
君が居ないなら僕の朝はもうやってこない

出典: 雫/作詞:スキマスイッチ 作曲:スキマスイッチ