不意に薫る風歩けない旅人をなでるよ
急な雨でさえ傘のない2人をさけた
出典: SPECIAL THANKS/作詞:TAKURO 作曲:TAKURO
そんな偶然すら自分たちのために起こったことだと思えるほどに互いに愛し合っていたことがわかりますね。
先のBメロの流れでサビに入っても充分に感情を爆発出来たところを再びAメロへ戻ることで更なる回想を紡ぎます。
失恋時、幸せだったときを思い返して思いがループしてしまうことは誰しも経験があるのではないでしょうか。
AメロからBメロ、そして再びAメロに戻るという流れで、まさにそれを音楽的に表現していると思います。
些細な出来事すら喜べた日々が失意を増幅するBメロ
陽だまりはしゃぐ1秒先も見えないままで
名前を口にすればそれで幸せだった
出典: SPECIAL THANKS/作詞:TAKURO 作曲:TAKURO
先のことなど何も考えない程、お互いに陶酔していたという、恋愛における一番熱い時期の思い出です。
恐らく最も幸せだった時期ではないでしょうか。
この2回目のAメロとBメロでは、幸せだったときに想いを馳せ、回想し、噛み締めている。
そんな状態を表していますね。
幸せと悲しみが交錯する後悔をありのままに表現するサビ
予期せぬ出逢いを初めての朝を
無邪気な自由をKISSのあとの笑みを
儚さで綴る人生の至福として想う
出典: SPECIAL THANKS/作詞:TAKURO 作曲:TAKURO
畳み掛けるように幸せだった想い出を紡ぎ、それを儚いと言い切る投げやりにも見える言い回し。
それでいて、その時をこれまでの人生におけるこの上ない幸福と締め括る。
良かった想い出を綺麗な状態のまま大切にしていきたいという想いが感じ取れます。
それでいて、どうすればその幸福は継続できたのか、という後悔の念がこの次の歌詞に表れています。
夕映えに咲いたぎこちない愛をもっと素直に言えたのなら
一粒の涙やさしさの縒りできっと受け止められたのだろう
君といた日々は宝物そのもの
出典: SPECIAL THANKS/作詞:TAKURO 作曲:TAKURO
陽が沈むその刹那にも似た瞬間的な想い。
あの感情が愛だったのだと今になって気が付いたことで、『君』が流した涙の理由も理解できた。
もしもっと早くその意味に気付いていれば、受け止めることが出来たのに。
そういう後悔が強く表現された歌詞になっています。
タラレバがないことはわかっていても考えないわけにはいかない想い。
そういうことに気付かせてくれた『君』との日々は大切にしまっておくよ。
後悔と感謝の入り混じった複雑な感情ですね。
ギターソロを超えて入るBメロで普遍的なテーマへと昇華
混沌とした想いを音に乗せたギターソロ
ギターソロといえば、メロディアスで口ずさめるようなものが一般的ですが、ここでは違います。
複雑な感情を歌ったサビから流れ込むこのギターソロは、メロディーを強調したものではありません。
ギターの歪んだサウンドがボーカルの叫びとともに、混沌とした感情の高鳴りを表現しているのです。
歌詞を持たない楽器だけが演奏する間奏。
そこにもしっかりと、この曲の想いや、歌詞が伝えたいことが代弁されているのです。
このギターソロが、ここから続くBメロでさらに感情を持ち上げて壮大な大サビへと入っていく。
その為の大切な役割を担っているということなんです。