セリフと感情
『愛ゆえに』の歌詞の魅力の1つは、セリフと感情のどちらもが含まれているところではないかと感じます。
外面のためのセリフだけ。内面を表す感情だけ。
そういったものではなく、誰かに対しての言葉と、心に隠した感情の両方が描かれています。
だからこそ、よりリアルを感じることができます。
人というのは、言っていることと考えていることは、ちがうのがほとんどです。
だから、「こう思っていてもあぁ言っちゃう」「あぁ言ってても本当はこう思っている」。
そんな男性に対しての感情が、女性目線でよりリアルに描かれているように感じられるのです。
リアルさが魅力
女の子の夢物語を描いたり、恋愛の理想を歌ったり、そんな歌は世の中にたくさんあります。
そんな中で、ここまで男女をリアルに描けるバンドはなかなかいません。
「過去の私みたいだ」「今の私を歌っているみたい」。
この曲を聴くと、そんな感情を抱く人も多いのではないでしょうか。
苦い思い出や苦い感情も、誰かが歌っていてくれるということは心の救いになります。
「こんな男性を愛してしまうのは私だけじゃないのかもしれない」。
「こんな愛し方をしてしまうのは私だけじゃないのかもしれない」。
この曲は、そんな風に思わせくれるのです。
うまくいかなかった恋愛やうまくいっていない恋愛が人それぞれにあります。
そんな恋も、「愛ゆえにね」と締めくくるこの歌が、すべてを浄化してくれるのです。
「愛しているからこそ」と思わせてくれることで救われる恋愛はたくさんあるのではないでしょうか。
さいごに
『愛ゆえに』は、どこか切ない歌詞とは裏腹に、楽曲自体は明るく勢いもあるメロディーが特徴です。
早口で歌われる1番の部分は、女性のたたみかけるように溢れる感情がよりリアルに感じられますね。
「一目惚れ e.p.」の中では、1曲目の『真赤』に続いて切ない恋愛模様が歌われています。
きれいごとではないリアルを歌う、My Hair is Badの魅力が感じられる1曲ですね。
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『愛ゆえに』と同じく「一目惚れ e.p.」に収録されている『真赤』。
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