両の手を塞いでどちらの世界を知ったんだ?
「唄え、踊れ」を叫んだ、そちらの世界へ行きたいんだ
どうしたいの? ねえ、どうしたい?
「縋った様な声で泣いてよ、ねえ」
「仕様もないな、どうしようもない」

そんなあたしのこと、を、嫌って!

出典: センスレス・ワンダー/作詞:wowaka 作曲:wowaka

ここの歌詞で出てくる「そちらの世界」。

これが「向かい側」の正体なのではないでしょうか?

そしてその世界に向かって、「あたし」はさまざまなことを訴えています。

まずは、どうしたいのか教えてほしい。

それから縋るように泣いて。

これは相手よりも優位に立ちたいという「あたし」の気持ちなのだと思います。

「あたし」が訴えかけているのは、「そちらの世界」にいる相手。

「あたし」は「そちらの世界」の相手に憧れると同時に、嫉妬もしているのでしょう。

だから、少しでも優位に立ちたいと思ってしまう。

「あたし」はそのことに対して、自己嫌悪しているようです。

誰かに受け止めてほしい

2番になっても「あたし」の心の中はぐちゃぐちゃ。

むしろ1番よりさらに複雑になっているような気さえします。

「あたし」はもしかしたら、こんな自分を受け止めてくれる相手を探しているのかもしれませんね。

この気持ちに気づいて

もう、息も切れ切れ 諦めにも似ていたストーリー
「ねえ、大嫌いになるから、別の道を行こう?」

ああ 興味なんて、まるで無い
そこら中に撒き散らした後悔
鈍感なその眼をこちらへ、どうぞ差し出して頂戴

出典: センスレス・ワンダー/作詞:wowaka 作曲:wowaka

このまま同じ道を歩いていたら、相手のことを嫌いになってしまう。

この歌詞からは特に「あたし」の卑屈な想いが感じられます。

興味なんてないと言いながら、過去にあるのは後悔ばかり。

気にしないようにしていても、自分の厄介な感情から逃れることはできません。

しかし相手は鈍感で、そんな「あたし」の心情に気づいていない様子です。

何も分かっていないなら、その眼をこちらに差し出して。

「あたし」のすべてを見せてあげる。

そんな気持ちなのではないでしょうか?

本心に気づいてしまった

「可愛らしい仕草も口調もその無邪気に跳ねる踵も、
何回と繰り返す不条理もどれもきっとあたしでしょ?」

そうさ

だらしないの、だらしないわって
話せないの、話せないなって
バラせないよ、バラせないなって

(気づいちゃった、)

出典: センスレス・ワンダー/作詞:wowaka 作曲:wowaka

鍵カッコで歌われているのは、自分を客観視してみた「あたし」の感想なのだと思います。

だらしない自分を知られたくない。

そんな気持ちを抱きつつ、「あたし」は何かに気づいてしまった様子です。

それは「話せない」「バラせない」と言いながら、本当は受け入れられたいと思っている本心について。

「あたし」はきっと自分のことが嫌いなのでしょう。

醜い自分を知られるのが怖くて、誰にも心を開けない。

しかし本心では、誰かに自分のすべてを理解してもらいたいと思っているはずです。

「向かい側」、つまり「そちらの世界」に行くことができたなら、「あたし」も心を開くことができるのでしょうか?

理想と現実の狭間

「あたし」が「そちらの世界」に望むことは何か?

どうしようもならない現実に嫌気がさすと、願い事ばかりが増えいくようです。

理想と現実の狭間でもがき苦しむ「あたし」の心情が綴られています。

最後に選ぶ世界は?

裏・表を晒した あたしだけの未来を訊きたいんだ
「どうしたいの? ねえ、どうしたい?」
終りのない謎々みたいだよ
「ねえ、今日のことを話して」
そちらの世界を知りたいんだ
両の手を離して、どちらの世界を選んだんだ?

出典: センスレス・ワンダー/作詞:wowaka 作曲:wowaka

「あたし」の望みは、自分だけの未来を知ること。

明日すら見えない現実は、まるで「終わりのない謎々みたい」。

「そちらの世界」に行くことができたなら、この謎も解けるかもしれません。

「あたし」が憧れる「そちらの世界」。

それはもしかしたら、「あたし」の理想がつくり上げた妄想の世界なのではないでしょうか?

実際には存在しない世界。

だから「知りたい」と強く願う。

「あたし」が最後に選ぶのは、どうしようもならない現実か。

それとも存在しない理想の世界か。

「あたし」は精神的にかなり追い詰められている様子です。

壊れていく「あたし」