フジファブリック【楽園】歌詞の意味を考察！僕が牙を剥く理由は？歪んだ世界と願った世界を読み解く

このパートでは、燃えるような情熱を感じる前半のパートと対照的な雨が描かれています。

そして湿った空気や風は、千空と相反する考えを持つ司の心の内を表しているようです。

石のように立ち止まっていては、前に進んで行くことはできません。

やがて崩れ去る風化した石のような、自分にとって不確かな未来は一切排除したいのです。

過去を思い返しながら、彼には彼なりの葛藤がある中で、導き出した答えなのでしょう。

その答えにたどり着くために、自分を信じて、ひたすら目的を達成しようとしているのです。

一見投げやりにも見えるフレーズからは、辛い過去や悲しみを感じられます。

錆びついて、壊れた時計のように止まったままの心を解放し、自分なりの方法で戦おうとしているのでしょう。

そして、反対されようと、自身の手で切り開いていく絶対に負けないという強い意志があるのです。

やれるものならやってみればいい、といった挑発的な姿勢も感じ取れます。

実現した理想の世界を目の当たりにすれば、その素晴らしさに気付くだろう、そんな想いもあるのでしょう。

失ったものを取り戻すためには、時に犠牲も必要になります。

目標にたどり着く過程で何があろうと、過去に何があろうと、前に進むしかありません。

信じた道の先には理想や幸せが待っているはず、そう信じて、ひたすら前に進んでいくのです。

そして、強い意志のもとに走り出して、もう振り返っている時間もないのでしょう。

一時の油断もままならないのです。

『楽園』は、夢や目的を成し遂げようとする2つの意志と情熱を感じられる楽曲でした。

楽曲の中に相反するストーリーが感じられ、それぞれの想いが熱く胸に響いてきます。

また、炎や雨といった対照的な表現、問いかけるような表現も印象的でした。

アニメに登場する千空と司の想いも感じられ、2人の境遇や背景が重なります。

そして時に、考え方の違いから意見が対立したり、どうしても分かり合えないことがあります。

その考え方の根本には、アニメに登場する2人のように、その考えに至った経緯があるのでしょう。

全てを丸く収めるのは難しいものですが、それぞれの良いところを認め合えるよう努めたいものです。

また、楽曲の歌詞のように、物事に対して燃えるような闘志を抱いて、挑戦し続けていけたらと思います。

フジファブリックが歌う、優しいメロディーに包まれる穏やかな楽曲『手』もおすすめです。

こちらは、ご紹介した『楽園』とともに11作目のアルバム『I Love You』に収録されていますよ。

温かい毛布に包まれているような優しい気持ちになれる楽曲で、美しいサウンドに癒されます。

そして、大切な人に思うように会えなくなってしまった今、元気をもらえる素敵な楽曲です。

家族の大切さや、愛する人の大切さを痛感する優しい歌詞に胸を打たれますよ。

この楽曲を聴いた後には、きっと大切な人の声が聞きたくなるはずです。

MVも必見で、懐かしい思い出がたくさん詰まったアルバムを、1枚1枚めくっているかのようです。

併せて、ぜひチェックしてみてください。