人間と喰種のはざまで揺れ動くカネキ。
半喰種である自分と、人間である親友のヒデや喰種のあんていくの仲間たち、そして喰種のトーカに惹かれる想い。
次第に喰種に染まっていく自分を受け入れられずにいる心情が表現されています。
また、カネキは原作で喰種として本格的に目覚める瞬間があります。
それはヤモリに執拗な拷問を受けた際にリゼと対話をして赫子(かぐね)を操る力を手にするのです。
白髪になり喰種としての力を得たカネキは、性格もまた変化していきます。
昔の純粋な男の子の金木とは違う、喰種のカネキ。
仲間を守るために力を得たはずなのに、何かが違うと違和感を覚えます。
大切な人たちにこんな自分なんて忘れて欲しい、けれど心のどこかでは覚えていて欲しいと葛藤します。
覚えていてくれるなら、どうか元の純粋なままの自分がいい・・・。
カネキの気持ちが痛く、とても切なくなりますね。
「unraveling the world」
unraveling the world
出典: unravel/作詞:TK 作曲:TK
曲部分では、ここの歌詞部分が叫びとして歌われています。
和訳すると「世界を解明する」といった意味になります。
これは冒頭にもあった「教えてよ」という歌詞にも繋がっていますね。
何が正解で不正解なのか、何が正義で悪なのか・・・。
様々な人々と対峙する度にカネキに降りかかる疑問です。
この歌詞の前に「動けない」という歌詞があります。
人間側と喰種側、どちらの気持ちもわかるからこそ動けないカネキの姿があるのです。
曲中に叫びとして歌われたのは、嘆いているカネキの心の声を表現したのかもしれませんね。
「覚えていて僕のことを」
変わってしまったことにparalyze
変えられないことだらけのparadise
覚えていて 僕のことを
出典: unravel/作詞:TK 作曲:TK
これは終盤の歌詞になります。
「paralyze」とは「麻痺」という意味です。
「paradise」は「天国」といった意味です。
韻を踏んだ言葉遊びのようにもなっています。
これは覚醒したカネキが喰種として生きていくことを決めた後の心情でしょう。
人間としての生活がもはや不可能となってしまったカネキにとって、喰種であることにも慣れてきました。
そんな感覚に麻痺している自分。
そんな自分を受け入れながらも、昔の生活に名残惜しさを感じるカネキがいました。
人間と喰種が敵対することなく平和な日常がくることは不可能なのだろうか。
そんな疑問を持ちながらも変えられない世界が目の前には広がっていました。
変えたい、けれど変えられない。そんなもどかしいカネキの気持ちがあります。
そして、それでも変わってしまう前の自分をトーカたちに覚えていて欲しい。
「覚えていて僕のことを」という歌詞が、淋しくも切ない言葉に感じます。
PV
それでは最後に『unravel』のPVをご紹介しましょう。
TKさんと4つの画面が登場するPVは、どこか孤独で切ない印象を感じます。
モニターに映りながら歌うTKさんの姿が、現実にはいない”もう一人の誰か”を指しているようです。
このPVを見ながら歌詞を思い浮かべると、ふと考えます。
本当は誰もがもう一人の自分を心の中に飼っているのではないかと。
人は状況や相手によって様々な顔を見せます。
それは嘘の自分であったり、本当の自分だったりしますよね。
このPVを見ていると、そんな自分の闇の部分を引きずり出されるような感覚になります。
残念ながらPVは、short versionなので全部を観たい方はぜひiTunesで検索してみて下さいね!
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