自分を偽り続けて苦しまないように。
どこまでが本音でどこからが虚言なのか見失わないように。
思うままに生きたらいいよ、というメッセージが込められています。
身を委ねていいものと悪いもの
髪の毛を誘う風を
何ともすんなりと受け入れる
眩しい日に身を委せることこそ悪いこととは云わない
出典: 虚言症/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎
この部分の歌詞の「景色」としては、2通りの読み方ができるようです。
ストレートに読めば、優しい風や日差しといった心地よい景色が浮かびます。
本当に心地よいと思うのなら、日向に寝転んでゆっくりするのは悪いことではありません。
一方で、自殺を考えている人にとっては眩しすぎる景色ではないでしょうか。
そこに身を置きたくないと感じるかもしれません。
しかし他者に否定されないように、他者の価値観に合わせて心地よい演技をする。
それは悪いことではないけれど、という歌詞とも考えられます。
もう1つの「景色」は、駅のホームの端を歩いている「君」の姿です。
ホームに電車が入ってきて、ふわっと風が起きる。
このまま死んだら楽になれるかもしれないと思うと、死が明るいものに見えてきます。
そこに身を委ねてほしくはありません。
無理しなくてもいい
無理矢理に繕ってみたりしないで大丈夫
いま君の為に歌うことだって出来る
あたしは何時も何時もボロボロで生きる
出典: 虚言症/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎
眩しくて辛いときはその場から離れたらいい。平気だよ、と演技する必要もありません。
心地よい場所を誰かに譲る必要もありません。
少し不格好であっても、思うままに生きて欲しいという歌詞です。
「君」が駅のホームで眩しさに誘われてしまわないように、「あたし」は歌います。
「君」が生きていけるのなら、身を粉にしても構わないと思っているのです。
きっと椎名林檎は、見ず知らずの「君」にも届けたいと願って歌ったのでしょう。
押し付けがましいメッセージにしないために
「大丈夫」というタイトルが「虚言症」に変更された理由はなんだったのでしょうか。
自殺したいと思っている人に向けてのメッセージソングは、受け手によって効果は様々です。
歌に元気をもらう人もいれば、所詮きれい事の歌だと吐き捨てる人もいるでしょう。
この曲を重たいメッセージソングにしないために。また、多くの人に届けるために。
「こんなこと歌ってるけど、きれい事だよね」と椎名林檎自らが真剣さを取り除いたのではないでしょうか。
押し付けがましいメッセージソングこそ嘘くさく感じるものです。
解釈は自由、きれい事だと思ってもいい、まずは聴いて欲しい。
そんなライトな楽曲として完成させるためにタイトルを変更したのだと考えています。
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