情けない自分に涙が出てきた
帰る場所はどこだっけ
汚れてしまった僕のシューズ
速くなる鼓動 この手で触れたんだ
確かに僕はここにいる
Give me a chance
出典: 雨のパレード/作詞:福永浩平 作曲:福永浩平
言うまでもないですが「シューズ」というのは、主人公の心を表しています。
その意味においてタイトルの『Shoes』というのは、象徴的な意味で付けられたのでしょう。
もちろん、主人公が履いている実際の靴も汚れています。
しかし、それを上回るくらいに主人公の心はボロボロで汚れてしまったのです。
ここの「汚れる」というフレーズ。
汚い心になり下がった、という意味ではないと思います。
そうではなく、「真摯に生きてきた人生において、何かを諦めてしまった」。
そういう主人公の後悔の念が「汚れる」という言葉に表されています。
最後のサビ
涙が乾かないうちに
このままどこか行こうぜ
いまならさ
どこまでも行ける気がするんでしょ?
夏の星座がどういうもんか
今夜確かめてみようぜ
そしたらさ
あの頃の僕らみたいに
出典: 雨のパレード/作詞:福永浩平 作曲:福永浩平
主人公は人生の過渡期にいます。
ちょうど少年から青年へと変化する時期です。
子どもから大人へと変化するちょうどその時期に感受性が最も高まります。
主人公は「大人になる」ことへの抵抗があるのでしょう。
しかし、いつまでも人間は子どもではいられません。
そのことを分かっていながらも苦しむ主人公。
彼自身、抱えているシレンマやストレスを、どこに向けたら良いのか分からない状態です。
ここで『Shoes』は終わります。
主人公に対して「答え」を出さなかった作者の福永さん。
それは全く普通のことだと思います。
人間であれば誰しもが経験し、答えがないのを誰もが知るのですから。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
今回は雨のパレードの『Shoes』を解説しました。
レトロなシンセサイザーのサウンド。
力強く繊細で、かつ、しなやかなボーカル。
サウンドはシンプルですが、ノイズミュージックの影響がある楽曲です。
少年から青年へと変化する過渡期にいる主人公。
世の中の不条理や理不尽なことに怒りを覚えています。
しかしその反面、どこかに臆病な心を抱え、怯えている主人公。
歌詞には、対照的な主人公の二つの感情が良く表されていますね。
最後にOTOKAKE内から、靴に関連する記事を掲載します。
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