oh, and the award for the best lie goes to you (goes to you)
for making me believe (that you) that you could be faithful to me
let's hear your speech, out

出典: テイク・ア・バウ/作詞:ERIKSEN MIKKEL STORLEER 作曲:HERMANSEN TOR ERIK

「オー、最優秀嘘つき賞をあなたに贈るわ

あなたは私に信じさせたわね

あなたが私に対して誠実だったなんてね

さあ、あなたのスピーチを聞かせないさいよ」

間にリフレインを挟みます。

繰り返しになりますので掲載は割愛いたしました。

私の「褒め殺し」はまだまだ続きます。

ここではアカデミー賞のような演技への貢献に敬意を表して最優秀嘘つき賞を贈るのです。

演劇や映画などでの真剣な演技はときに真実を表現します。

しかし日常生活で何かを演じているような人柄の人は嘘しか生みません。

恋愛において大事な誓約ともいえる誠実さに背を向けてしまうのです。

こうした愛への背信行為をリアーナのような強い女は許しません。

こんなクズのために流す涙はなく、あなたにすがろうとする真似は一切しないのです。

今のアメリカ合衆国では「泣く女」や「すがる女」を歌詞の中に描くと大バッシングをくらうでしょう。

リアーナはそうしたバッシングが怖い訳ではありません。

彼女自身が率先して強い女であることを高い価値と見出しているのです。

ただ実際の運命は非情でした。

この曲の発表から2年後に恋人だったクリス・ブラウンから酷いDVを受けます。

進んだ国であるアメリカ合衆国でもまだ女性が泣かされる状況があるのです。

それも大成功を収めた女性シンガーでもDV被害に遭うのですから運命は過酷でしょう。

「テイク・ア・バウ」の強気な私はあなたに受賞の際のスピーチを求めます。

しかしあなたが何を感動的に語ろうとも私はもう聞く耳を持っていません。

DV事件の後、クリス・ブラウンはリアーナへの接近禁止命令を言い渡されています。

クズな男には未練がないという態度をリアーナは貫いたのです。

「テイク・ア・バウ」の先には

「褒め殺し」という絶妙な文化

リアーナ【テイク・ア・バウ】歌詞を和訳&解説!何故「お辞儀をしなさい」と言っている?強い女になるにはの画像

but you put on quite a show really had me going
now it's time to go curtain's finally closing
that was quite a show very entertaining
but it's over now (but it's over now)
go on and take a bow
but it's over now

出典: テイク・ア・バウ/作詞:ERIKSEN MIKKEL STORLEER 作曲:HERMANSEN TOR ERIK

「まったく素晴らしいショーだった

随分、楽しませてもらったわ

でももう終わりよね

さあ、お辞儀をしに舞台に行くのよ

でもショーはもうお終いなの」

途中にリフレインがあります。

繰り返しになりますので掲載は割愛いたしました。

いよいよクライマックスですが、こちらもほぼリフレインになります。

しかし最後ですので改めて見ていきましょう。

アメリカ合衆国にも「褒め殺し」の文化があるのですからこうした表現は万国共通なのかもしれません。

日本の歌謡史を振り返ると「褒め殺し」で男女の関係を描いた曲はあるのでしょうか。

今すぐには思い出せないので大ヒット曲でこうした描き方をした曲は稀でしょう。

アメリカ合衆国でもユニークであったのでしょう、「テイク・ア・バウ」はメガヒットしました。

泣かないしすがりつかない強い女という21世紀的な価値観も高く評価されたのでしょう。

作詞の前のコンセプトの段階で成功が保証されているような内容です。

新しいシンガーが新しい価値観を文化の世界に持ち寄ることで社会は前進します。

リアーナのようなメンタリティがもっと市民権を獲ることを祈るばかりです。

リアーナの強さから学べること

リアーナ【テイク・ア・バウ】歌詞を和訳&解説!何故「お辞儀をしなさい」と言っている?強い女になるにはの画像

三文芝居ですが私は騙されてしまいました。

しかし嘘がバレて私とあなたは芝居をやめます。

破局で終わる演劇でしたが拍手喝采でスタンディングオベーション。

テイク・ア・バウ

いよいよカーテンコールに応えてお辞儀をする時間です。

最後のご挨拶ができたなら本当にお芝居の終わりでしょう。

この先はどんな筋書きも書かれていません。

歌もこれで終わりと宣言されて本当に終わってしまうのです。

リアーナがこの曲で蒔いた種は強い女でいることという基本姿勢でしょう。

世界中でリスナーの支持を獲ました。

ただし上述したように現実はまだまだ過酷です。

女性の権利や地位向上のための運動はこの先も継続されるでしょう。

両性が本当に同等の扱いを受けられる社会が来ることを願います。

リアーナがこの先に負ったDV事件などクズな男はまだまだいるのです。

今日もニュース番組でどうしようもない男のために女性の生命すら危うくなる事件が報道されます。

もう泣かないでとはとてもいえません。

泣き寝入りはしないで自身の権利を申し立てること。

そしてその叫びに社会が的確に応えることが大事です。

私たちの社会は人権の点では国際社会から後進国と名指しされることもあります。

立ちはだかる障壁はまだまだ高いかもしれません。

そうしたときにリアーナの「テイク・ア・バウ」を貫く基本姿勢から学ぶことは多いでしょう。

課題を突きつけられているのは女性よりも遅れた男性たちです。

時代から孤立することを恐れるのならば「テイク・ア・バウ」に耳を傾けましょう。

リアーナは両性に向けてこの曲を贈ったはずですから。

滑稽なドラマには哀れな恋がありました。

現実の悲劇を笑いに昇華する力こそが文化・芸術の本分でしょう。

リアーナの強さに見習いたいです。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

OTOKAKEとリアーナの軌跡

リアーナ【テイク・ア・バウ】歌詞を和訳&解説!何故「お辞儀をしなさい」と言っている?強い女になるにはの画像

OTOKAKEにはリアーナの関連記事がいくつかあります。

中でもリアーナらしい際どく危ない愛の描写が鮮烈な曲をご紹介しましょう。

ダイヤモンズ

若いふたりが手にしたダイアモンドは宝石ではありません。

さてダイアモンドとは何の隠喩でしょう。

この歌詞和訳しながら解説しました。

ぜひご覧ください。

リアーナが2012年に発表してメガヒットさせた楽曲「ダイヤモンズ」。宝石の輝きについて触れていますが本物のダイアモンドは登場しない不思議な歌詞です。この曲の歌詞を和訳しながらリアーナが歌い上げたものの正体に迫ります。

無料で音楽聴き放題サービスに入会しよう!

今なら話題の音楽聴き放題サービスが無料で体験可能、ぜひ入会してみてね