「シェリー」にモデルとなった女性はいたのか?

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真相は永遠の謎

尾崎豊名曲「シェリー」にはモデルとなった女性はいたのか?という問いについての答えは、「わからない」というのが正しい答えです。

いろいろなところで意見や憶測はありますが、正確な情報はないというのが事実です。

作詞した当時・過去の恋人や繁美夫人という見方もあれば、イギリスの詩人メアリー・シェリー、パーシー・ビッシュ・シェリーのどちらかという説。

また、尾崎豊の母親ではないかという見方もあります。

 尾崎豊自身の口から「シェリー」のモデルについて語られたというはっきりした記録はなく、これから語られることもないので、真相は不明のままです。

「シェリー」については、1988年9月12日に東京ドームで行われた「LIVE CORE」で尾崎豊自身の口から

“この曲は後楽園の近くの川を見て作った曲である”と語られています。

おそらく神田川を指していると思われ、神田川を眺めながら自分自身の弱さを唄った曲だったと言われています。

憶測の域を出ませんが、「シェリー」の詩は自分自身へ向けての訴えや投げかけだったような気がします。

自分自身に語りかける詩を綴っていく中で、架空の誰かに語りかけるような詩になった可能性もあります。

モデルの存在の有無ははっきりしませんが、尾崎豊の名曲一つとして「シェリー」は多くの人の耳に届くことでしょう。

何もかもを捨ててここにたどり着いた

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10代を駆けぬけて

シェリー 俺は転がり続けてこんなとこにたどりついた
シェリー 俺はあせりすぎたのか むやみに何もかも捨てちまったけれど

出典: シェリー/作詞:尾崎豊 作曲:尾崎豊

尾崎豊がシングル「15の夜」・アルバム「十七歳の地図」デビューしたのが1983年。その2年後に発表されたのがアルバム「回帰線」であり、「シェリー」も収録されました。

 「シェリー」が作詞された時期がいつ頃なのかははっきりしませんが、高校在学中に脚光を浴びて、そのまま高校を中退してデビュー。

18歳といえばまだまだ人として未熟な時期であり、好奇心旺盛な時期です。

未熟ではあるものの、いろいろなものに興味をもって挑戦したり、周囲の友達との交流が最も楽しい時期だともいえるでしょう。

 デビューしてしまったことは焦りすぎた結果だったのだろうか。いろいろなものを犠牲にしてしまった。

そして、無知のまま大人の世界に飛び込んで無我夢中で転がり続けて、気が付けばこんなところにたどり着いてしまった…。

そんな思いが伝わってきます。

たどり着いたところは金か夢かわからない世界

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告白

シェリー あの頃は夢だった 夢のために生きてきた俺だけど
シェリー おまえの言うとおり 金か夢かわからない暮しさ

出典: シェリー/作詞:尾崎豊 作曲:尾崎豊

あの頃とはデビュー前の中学生・高校生時代のことでしょう。

あの頃はただ純粋に夢を描いて生きてきたけど、実際に夢を手にしてみれば、そこは金にまみれた世界で何が夢だったのかわからなくなってきたのかもしれません。

 尾崎豊は純粋に楽曲を通してたくさんの人にメッセージを伝えたかったのでしょうが、彼に群がってくる大人たちは「尾崎豊」という商品を利用して金儲けを企む人間ばかり。

 尾崎豊自身の告白を記した本の中で、「金のことばかりを考えている大人たちに神格化され、事務所の言いなりに自分を演じていた」という趣旨の告白をしています。

また、イニシャルではありますが、何人かの人物を指して「殺しても許せないやつがいる」とも語っています。

その中にはデビュー当時から共同で活動していたプロデューサーと思われる人物も含まれていたことに驚かされました。

尾崎豊の楽曲のメッセージ性の強さから無鉄砲な性格だと誤解されがちですが、実際は礼儀正しく周囲に気を配る性格だったといいますから、大人たちの言いなりになってしまったのかもしれません。

愛ですべてを包む存在

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絶対の愛を感じられる存在

転がり続ける 俺の生きざまを
時には無様なかっこうでささえてる
シェリー 優しく俺をしかってくれ そして強く抱きしめておくれ
おまえの愛が すべてを包むから

出典: シェリー/作詞:尾崎豊 作曲:尾崎豊

この詩の部分が「シェリー」のモデルが母親だという説のもとになったのではないでしょうか。

右も左もわからない世界で転がり続ける自分を、なりふりかまわず必死に支えてくれる存在。

連想するのはやはり母親でしょう。

叱られながらも優しさと愛情を感じる存在。つらい時に強く抱きしめてくれる存在。

すべてを包んでしまうほどの愛情を持つ存在。

やはり母親が連想されます。

シェリー いつになれば 俺は這い上がれるだろう
シェリー どこに行けば 俺はたどりつけるだろう
シェリー 俺は歌う 愛すべきものすべてに

出典: シェリー/作詞:尾崎豊 作曲:尾崎豊