最初の歌詞に出てくるすばる、銀河、ペガサス、ヴィーナスはすべて星に関係してきます。
すばるは、プレアデス星団というおうし座の首のあたりにある星の集団で、肉眼でも5つほど確認できます。
銀河は、巨大な天体のことであり、ペガサスはペガスス座のことですね。
ヴィーナスは、金星のことを言います。
すべて星に関係していますが、その手前にある言葉の風や砂、草原や街角は地球上の私たちが生活している社会でも見ることが出来る景色ですよね。
つまり、これらは地上にある星について語っているのではないでしょうか。
地上にある星たちは光を放っていますが、誰にも知られていないことが描かれています。
「みんな何処へ行った」の言葉で、星たち注目されることなく消えていったことが分かります。
地上にある星を
誰も覚えていない
人は空ばかり見てる
出典: 地上の星/作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき
地上にある星とは、「風の中のすばる」や「街角のヴィーナス」のことですね。
そしてその星が象徴するものは、地上に住んでいる私たち人間のこと。
そして、輝く星は手の届かないはるか上、空にしかないものという思い込みや常識にとらわれて、すぐそばで輝いている星のことを誰も覚えていないと歌っています。
この辺りが、誰かに注目されなくても自分の信念で生きる人々を映す「プロジェクトX」にぴったりですね。
つばめよ 高い空から 教えてよ 地上の星を
つばめよ 地上の星は 今 何処にあるのだろう
出典: 地上の星/作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき
この曲はそんな空から地上を見ているつばめの視点から描かれています。
つばめは、寒い冬は日本にとどまらず台湾やフィリピン、マレーシアまで飛んでいきます。この歌では、様々な地上を見渡せる生き物として描かれているわけですね。
そして空ばかり見ている私たちには気付いていないような、地上の星が何処に居るのかをつばめに尋ねているのです。
崖の上のジュピター 水底のシリウス
みんな何処へ行った 見守られることもなく
名立たるものを追って 輝くものを追って
人は氷ばかり掴む
出典: 地上の星/作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき
1番では、「街角」や「草原」といった人々が訪れるところにいる星を歌っています。しかし、2番では、「崖の上」や「水底」といったあまり行くことのない場所を指しています。
それは、誰も行かないような場所で孤独と闘うように輝いている星がいることを描いています。
誰もが知っているような注目されているものや目立つものを追い求めていると「氷」を掴むと語っています。
「氷」は触っていないときには存在するけれど、人が掴むと溶けて消えてしまいますよね。掴むと消えてしまう=実体のない幻だと言っているのではないでしょうか。
つばめよ 高い空から 教えてよ 地上の星を
つばめよ 地上の星は 今何処にあるのだろう
出典: 地上の星/作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき
そしてサビに入ります。
この短い歌詞の中に、「輝く人がこれほど近くにいるのに、人間はどうして気づかないのだろう」という気持ちが込められていることが分かります。
人間という視点を捨てれば、見方を少し変えれば、この地球上には空に輝く星と同じくらい美しくきれいに光を放つものがあるのに…という寂しさも感じられますね。
名立たるものを追って 輝くものを追って
人は氷ばかり掴む
風の中のすばる
砂の中の銀河
みんな何処へ行った
見送られることもなく
つばめよ 高い空から 教えてよ 地上の星を
つばめよ 地上の星は 今何処にあるのだろう
出典: 地上の星/作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき
ラストは繰り返しとなります。
しかし、繰り返されれば繰り返されるほど、上ばかりを見るのではなく、今いる所から周りを見てみようという気持ちが沸き上がりますね。
誰にも知られることなく、それでも誰かのために輝いている人はあなたのすぐそばにいるんだということを教えてくれる言葉が響きますね。
まとめ
いかがでしたか?
星は、星の中心にあるものを燃やして輝きます。人間に例えるなら、心のうちにある情熱ではないでしょうか。
そして、この曲に描かれている星たちは、誰かに見られていることで輝いているわけではありません。
認められたくて輝いているわけでもありません。自らの使命をもって輝いているのです。
ロングセラーを記録しただけあって、この曲の歌詞には強いパワーを感じます。
具体的なことはほとんど言いませんが、それぞれの人の経験とリンクする歌詞は、これからも多くの人に愛されるはずです。
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