初期の星野源
拭えないSAKEROCK感
今となっては星野源はメディアにも多く登場し、ミュージシャンとしてだけでなく文筆家、俳優と様々な顔を持つマルチなアーティストとして世間に知られています。
しかし、以前から同じ活動を続けていても、元々はSAKEROCKのメンバーとしてミュージシャンの印象が一番強いのが現実でした。
むしろ今の星野源からSAKEROCKが想像できるでしょうか。そして、そもそも皆さんはSAKEROCKを知っているのでしょうか。
SAKEROCKとは星野源がリーダーとなり、高校の同級生を集めて作ったインストゥルメンタルバンドです。
2015年に解散してしまいましたが、星野源としての活動を始める前の2000年からバンドは活動していました。
つまり初期の星野源はそのSAKEROCKがあってこそなのです。
今みたいにオシャレで爽やかじゃない
この画像は星野源の1枚目のアルバムのジャケットです。
もちろん真ん中に座っているのが星野源です。それでは、ファッションに注目してみましょう。
デニムにTシャツにカーディガンとまるで大学生のようです。今の星野源のスマートでスタイリッシュなイメージからはかけ離れています。
さらに、次の2本の動画を見比べてみてください。
1曲目は「日常」よりも前にリリースされた「くせのうた」のミュージックビデオで2010年の星野源です。そして、2曲目は2016年の星野源です。
一体、この変わりようは何でしょうか。服装はもちろん全然違いますし、後者の動画からはオシャレな雰囲気がとても漂ってきます。
今回取り上げている「日常」を出した頃までは、今と違い素朴で純粋な青年のイメージが強かったのです。
しかし、その純朴さこそ初期の星野源の良さであり、「日常」という楽曲の良さを存分に引き出し、より深いものにしていたことは間違いありません。
アルバム「EPISODE」
2011年9月28日にリリースされた2枚目のアルバムである「EPISODE」は星野源自身、そして、SAKEROCKを含めての初のオリコントップ10入りを果たしました。
つまりこのアルバムが星野源を世に知らしめたアルバムと言っても過言ではないでしょう。
そして、「日常」はこのアルバムの12曲目に収録されています。
「日常」の歌詞を紐解く
それでは「日常」の歌詞を紐解いていきましょう。
やりたいことを貫く意志
無駄なことだと思いながらも それでもやるのよ
意味がないさと言われながらも それでも歌うの
出典: 日常/作詞:星野源 作曲:星野源
前述したように、星野源はミュージシャンとしても文筆家としても俳優としても活動しています。いわば三足の草鞋を履いているわけです。
これは今に始まったことではなく、初期の頃からずっと続けている活動です。
一般的に考えたら「音楽一本で頑張れよ」といったような何か一つに絞るべきという意見の方が多いのではないでしょうか。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」ということわざもあります。
むしろ星野源の場合、三兎を追っていたので、周りからの風当たりは強かったのではないかと想像できます。
そして、「無駄なこと」という言葉からも分かるように、その風当たりの意味も自分でちゃんと理解していたのではないでしょうか。
しかし、それでも自分が信じたもの、やりたいことを貫いていく強さを星野源は持っていました。三兎を追って、三兎を得ればいいと考えていたのです。
理由などいらない
少しだけ大事な物があれば それだけで
出典: 日常/作詞:星野源 作曲:星野源
星野源にとっては一つ一つの活動が自分の生活に欠かせないものです。
そんな自分にとって大切なものを大切にしていくことに理由なんていらないのです。
つまり自分の中で今、力を注いでいるものを大切だと想う気持ちがあって、そこに「愛」があればそれでいいのです。