「PUBLIC ENEMY」
5枚目
「PUBLIC ENEMY」(パブリックエネミー)は2010年8月25日にリリースされた、AK-69にとって5枚目のシングル曲です。オリコンチャート週間13位を獲得しました。
通常盤と初回限定盤の2つの形態でリリースされ、初回のみの限定盤にはAK-69の手書きによるリリック(歌詞)カードが封入。AK-69ファンには心震える特典ですね。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/PUBLIC_ENEMY_(AK-69の曲)
アルバムでは『THE RED MAGIC』に収録されており、テレビ東京系列のヒップホップの番組「流派-R」オープニングテーマにも抜擢されました。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/PUBLIC_ENEMY_(AK-69の曲)
「PUBLIC ENEMY」の元ネタは映画「PUBLIC ENEMIES」。
ジョニー・デップ主演の2009年のアメリカ映画で、大スターのようにもてはやされていた大強盗John Dillinger(ジョン・デリンジャー)が主人公。
曲の中でJohn Dillinger(ジョン・デリンジャー)と自分(AK-69)を重ね合わせています。
John Dillinger(ジョン・デリンジャー)が大金を強奪するように、日本の音楽シーンの富と名声を強奪していく様を綴っています。
なんてヒップホップらしいカルチャーなんでしょう!
それではアグレッシブなギターがフューチャーされたハードコアなナンバー「PUBLIC ENEMY」の世界を見ていきましょう。
「PUBLIC ENEMY」の歌詞
深掘り
「PUBLIC ENEMY」とは凶悪犯罪者などの「社会の敵」を意味します。何が社会の敵なのでしょうか。歌詞を細かくチェック!
Yo, Yo Everybody call me,「PUBLIC ENEMY」
Oh,オメーの目の前に Wassup!
予告した通り 全部かっさらいに 計るタイミング 灰になるまでRhymin'
でら鮮やかな手口でゲトるてLouis VuittonにGucci
Yo, Yo Everybody call me,「PUBLIC ENEMY」
出典: PUBLIC ENEMY/作詞:AK-69 作曲:RIMAZI.AK-69
サビから「PUBLIC ENEMY」は始まります。ヒップホップらしい自己顕示欲を表現しているリリックです。自分を盛るのがヒップホップスタイル。
自分を追い詰めて自分の能力を最大限まで引き出そうという気持ちの現れでしょう。死ぬまでラップを続けるという決意も読み取れます。
「でら」とは名古屋弁で「どえらい」の意味。標準語では「すごい」や「超」の意味で、強調語のひとつです。
ここでは「でら鮮やかな手口」=「すごく鮮やかな手口」。自分で自分の手口を讃えていますね。
そして最後にオレのことを「PUBLIC ENEMY」と呼んでくれと歌います。
オレ(AK-69)=「PUBLIC ENEMY」=「社会の敵」ということですがこれはどういった意味でしょうか。
AK-69は「PUBLIC ENEMY」の意味を犯罪者という意味ではなく、「社会へ広く影響を与える者」というニュアンスで使用しているのではないでしょうか。
「社会の敵になるぐらいの大きな影響を与えることができるオレ」を誇示しているのでしょう。
Oh,むせび泣く体験 じゃり銭 握り立つ売店
最低な味してたジャムパン 忘れることねぇ 夢はでかいぜ
そう 志す怪盗 明日への回答 近道はないの?
あるにゃあるけどがリスク倍増 でもしくじりゃ命ないぞ
出典: PUBLIC ENEMY/作詞:AK-69 作曲:RIMAZI.AK-69
「体験」と「じゃり銭」と「売店」の語尾で「ん」の韻を踏んでいます。「解答」と「回答」も同じ音でですね。
「夢はでかいぜ」でAK-69の大きな志を感じますし、命を懸けていることも分かりますね。
上等だてメジャーのシーンてか コメつきバッタの交尾のシーン FXXk it!
政治 媚び売りハナから無視 踏みつけるのみBull shit
It's just like da John Dillinger 標的にぶっぱなすDeringer
Yo,そこでゆっくりしてろ 根こそぎ強奪 Y'all know my steel
出典: PUBLIC ENEMY/作詞:AK-69 作曲:RIMAZI.AK-69
メジャーシーンを席巻してやるという気持ちを爆発させているリリック。富と名声を根こそぎ強奪してやるという強い意志を感じます。
「オレはJohn Dillingerのように奪い去る」という表現をしており、John Dillinger(ジョン・デリンジャー)とDeringer(拳銃の名前)が韻を踏んでいます。
「FXXk it!」と「Bull shit」は相手を罵倒する言葉。ヒップホップお得意のディスりですね。
人は来た道ばかり気にするがどこに向かうかが大切さHoney
俺は望むままに さあ脱獄しよめぇ このクソなしがらみ
無一文で 街まで 荒野をひた走る もちGet da money
ままごと戯れ言で でかなるShow biz すべて頂くぜ誰が向こう見ず
出典: PUBLIC ENEMY/作詞:AK-69 作曲:RIMAZI.AK-69
「Get da money」=「Get the money」の意味です。ヒップホップの言葉遊びでは「the」を「da」と表現します。
お金はヒップホップのリリックに頻繁に出てきますが、これは「お金」=「パワ-」の象徴です。
お金をたくさん稼げる人はパワーがあるということ。パワーがあるということは強力な自己顕示が可能です。