“ルララ ルラリラ

私と一緒にいて

つらい思いはさせないから”

 

「私」の性格は献身的で一途なようです。

いわゆる「尽くす」タイプなのでしょうか。

不穏な表現も

Embrace your bubbles,your fluids
And keep you warm

Squeeze out your germs, your spore,your viruses

Embrace your membranes,your bones
And keep you cool

Squeeze out your evil,your grim and your woe

出典: Bathtub Mermaid/作詞:Mili 作曲:Mili

“あなたの泡と液体を抱き寄せあなたを温める

あなたの菌と胞子と病を絞り出す

あなたの粘膜と骨を抱き寄せてあなたを冷ます

あなたの悪と悲しみと不幸を絞り出す”

 

人魚は経験の無い女性のメタファーとも言われているので、行為の隠喩と捉えることもできそうです。

冒頭の部分を踏まえて考えると、「あなた」を殺害しているようでもあります。

どんどん不穏な歌詞になってきましたね…

一回限りの形質転換

Trasform myself
Once and for all
Sink into the tub
Reborn
Reform
Twist my legs to one and mind to none

出典: Bathtub Mermaid/作詞:Mili 作曲:Mili

“一回限りの

形質転換

私はバスタブに沈み込んで

生まれ変わる

改める

両足を捻じ曲げて一つに そして思いを無に”

 

「両足」があるということは、これまでの主人公は人間ですね。

両足が一つになっているということは尾ひれになったということなので、ここで人魚に戻っています。

 原作通りであれば、人魚が人間に戻れるのは「一回限り」です。

一番最後のフレーズからは無理やり忘れようとしている印象を受けます。

少なくとも、良い事があったようには見えませんね。

バスタブ内にて

鏡の向こうには何があるのか

Tell me tell me
What do you see
In the mirror that's cobered in chalky stea

出典: Bathtub Mermaid/作詞:Mili 作曲:Mili

“教えて 教えて

何が見えるの

白い蒸気に覆われた鏡の向こう”

 

鏡の状態からも分かる通り、舞台は引き続き浴室のようです。

主人公はもしかするとバスタブの中で飼われているのかもしれません。

海と比べて区切られ狭い代わりに、体が暖まるお風呂を人間の生活の比喩とも受け取れます。 

歌詞からは三通りの解釈ができるので、以下のようにまとめてみました。

 

① 主人公が訪問者(おそらく「あなた」でしょう)に、外の話を聞きたがっている。

② 主人公が愛で盲目になっている。

③「あなた」が愛で盲目になったので、主人公が「あなた」に目を与えた結果、主人公は何も見えなくなった。

 

②は不自然ですね。

あれだけの告白をしていた主人公が、「あなた」を愛していなかったとは思えません。

したがって、もし盲目になるのなら、主人公はすでに盲目なはずです。

あなたと共にいられるのなら

Cut me open and give me gills
So I can breathe

With tweezers and nippers
Trim off my fins
And forever I’ll be yours

出典: Bathtub Mermaid/作詞:Mili 作曲:Mili

“私を切り裂いて エラを縫い付けて

呼吸ができるように”

“ニッパーとピンセットで

ヒレを剥ぎ取るなら

ずっとあなたのそばにいられるよ”

 

「呼吸」とはもちろん、肺呼吸のことでしょう。

人間と同じ身体にしてほしい(そのくらい「あなた」を愛している)という解釈もできますし…

人間になりたい(「あなた」が愛してくれれば人間になれる、だから愛してほしい)という懇願にも聞こえます。 

一番最後のフレーズは直訳すると「そして永遠に私はあなたのものになるでしょう」。

「ずっとあなたのそばにいたい」、という願いが込められています。

何でも欲しいものをあげる。人魚の献身